こんにちは。
自分はどう生きるか絶賛迷子中です。
早速ですが、負けた試合の後とかで「気持ちが見えない」とか「やる気あるのか」とか「悔しくないのか」みたいな批判がファン・サポーターから飛び交うことがあります。
そして「選手は応援しているだけのファン・サポーターより悔しいに決まっている」といった批判に対しての批判や、「そもそもやる気ないわけないじゃないか」といってまあそらそうだと言いたくなるような意見が流れてきます。
まず私の考えを簡潔に書かせていただきます。
明日どうなるかも分からない職業である彼らが、1試合1試合に賭ける思いが弱いわけがない。
ということです。
彼らは明日どうなるかもわかりません。練習中に大けがを負ってそのままキャリアを終える可能性もあります。
キャリアまでは終えていないにせよ、昨年ベストイレブンの小池龍太選手は練習中の負傷続きで今シーズンはほぼ出られないまま終わってしまいそうですし、ようやく順応の兆しを見せ始めた小池裕太選手は来期開幕に間に合わないくらいの大けがを負ってしまいました。
そんな不安定な仕事、毎試合引退試合になりかねないそんな彼らが自分の出る試合に対して気持ちが入っていないということはあり得ません。
もし万が一そういう選手がいたとしたらすぐ淘汰されてしまうことでしょう。
ただ、それでも入りが甘かったり、どうしても「これ本気でやってるのか?」と訝しげに思う試合もあります。
そういう時に確かに「気持ち」の問題にしたくなるのはわかります。
「気持ちが入っていないように見える」試合は確かにどのチームにも1つや2つはあります。
そういう場合私はいくつかの可能性が考えられると思います。*1
- 疲弊して身体がついていかない、ないしは頭もついていかない。
- 相手の出方が想定と異なっておりすぐに対応ができない。
- 気負い過ぎて固くなっている。
- 選手の能力が低い。
まず1つ目ですが、これは連戦が続いたときに起きがちですね。
また日本の夏の蒸し暑さもこれに拍車をかけがちです。
今更言及するまでもないというか、まあそうなるわなって感じです。
2つ目ですが、これは最初に想定していた相手のやり方と異なった場合、ゲームプランを試合中に組みなおさないといけないためどうしても動きが鈍るのではないかと考えます。
大前提として我々のように俯瞰で見えているわけではないため、ピッチ上で相手の出方を見る、見てから対応するとなるとタイムラグはやむを得ないでしょう。
3つ目はカップ戦の決勝で決勝慣れしていないチームや、タイトルになれていないチームがタイトルを目前にして固くなってプレーが悪くなったり、逆に普段中位くらいにいるのに降格圏スレスレに落ちてしまったチームなども当てはまるかと思います。
こればっかりは人間がやるものだからとしか言いようがありません。
言うてもメンタルスポーツなのでやる気はあっても固くなってしまえば普段のプレーは中々出せないでしょう。
4つ目はある意味一番残酷ですね。
本人は必死だったとしてもそう見えないくらい能力が低い、足りていないということです。
当然ですが相手だって気持ちは入っています。そんな相手に飲まれていて力を出せないくらい能力が低いただそれだけです。
私はこの4つの理由を考えた後、改めて選手に対して「気持ちが入っていない」と怒るファン・サポーターはとても優しい方たちだと感じました。
それはつまり「気持ちが入っていればもっといいプレーができるはず」と選手の能力をこの上なく信じているからです。
私はそういう敗戦を見ると4番目の理由を強く考えてしまいます。
要するに能力不足だしその程度の選手をスカッドに入れて使わないといけないのが悪い、と思ってしまうので、それはそれでちょっと突き放しすぎかもしれないですね。
私は選手に対して度が過ぎた誹謗中傷をしなければ、プレーや振る舞いに対して疑問に思ったり節度ある批判をすることは決して悪ではないと思っています。
一般の人間より高い給料をもらい、注目を集める仕事である以上一挙手一投足が見られるわけですから、ピッチ上のプレーや振る舞いがファン・サポーターから批評の対象になることそのものを受け入れないわけにはいかないでしょう。
そこに対して「選手を批判するなんてプロへのリスペクトがない」という物言いで他社にも全肯定を強要するファン・サポーターはそれこそプロへのリスペクトがないと私は思います。
何もかもを肯定するならアイドルでも応援していればいいのです。どこぞの新興宗教に百万単位でお布施でもして届きもしない祈りを必死に捧げ続けていればいいのです。
今後選手のプレーを見たときに皆様がどう感じるかわかりませんが、この記事がその一助になれば私は嬉しいです。
本日もありがとうございました。
*1:もっと言うと例えば優勝を決めた後の消化試合とかありますが、その辺は言ってもきりがないので書きません。