光と闇の行方

こんにちは

今日はとあるマリノスというクラブのサポーターにとっては耳が痛いことを書いていきたいと思います。

そういうのあまり求めていない方はここでブラウザバックなさるのが賢明かと思います。

あくまでそういう意見を見てもいい、構わないと思っていただける方向けです。

 

 

・2023年のマリノスは成長過程なのか

これ、巷ではよく言われていますよね。

特にX(旧Twitter)でフォロワーの多い有識者ポジションの方たちが「新しいことにチャレンジしている。」*1

と連呼しています。

ただ、ここ最近の試合の煮え切らなさ、そもそも前進できなさを見ていると「ほんとに成長しているの?」と訝しむ意見も増えてくるのは当然だと思います。

そういうある一定数の方たちが今のサッカーを訝しむ声を「ノイズ」であるかのようにふるまう有識者の態度は傲慢だと考えています。

 

まず前提として「新しいことにチャレンジする」と「成長する」はイコールではありません。

料理は基本在りものでサッと作ることが多い私が、何の手ほどきもなくネットの画像だけで訳の分からないフランス料理の糞不味いフルコースを作ったとしてそれは私の料理スキルの成長にはなりません。

フランス料理を作るという新しいことはしていますが、ちゃんとした作り方も知らずに画像だけみて見よう見まねで体裁整えて糞不味い料理出してるんだから当然です。

 

このよく分からないたとえ話で言いたいのは、成長というのはあくまで一定のアウトプットを出して初めて言えることだと思います。

勿論アウトプットを出すまでにタイムラグがあるのは重々承知しています。

だとしても、その片鱗すら見えにくいのが現状ではないでしょうか?

それに関していうならば、片鱗すら出せない現場の選手たちや首脳陣の問題であって、チャレンジや成長を汲み取れない素人の第三者の理解力を非難しようという姿勢は果たして競技で飯を食う人間の姿勢としてあるべきでしょうか。

そして、それを全く関係ない第三者が「なぜ分からない」などと批判することはどれだけ愚かしくて無意味なことでしょうか。

 

そしてもう1つ、「怪我人が多すぎる」

これは確かにそうです。

ビルドアップにおいて絶対に欠かしてはいけないバックラインのキーマンばかりが長期離脱で抜けていくのは事実です。

ですが、じゃあ「人がいないからやりたいサッカーできませんし負けてしまいます」で済ませて良いのでしょうか。

そもそも必要なのはサッカーに適した選手をきっちり取ってくるか今いる選手を成長させるかの2択なはずです、

そもそもからして完成品を取ってこれない、取ってくるほどの金銭的な余裕がないからこそ素材型の選手を成長させるというコンセプトだったはずですが、現状選手は成長しているのでしょうか。

 

渡辺選手はこの2年ほどで大きく成長を見せていると思いますが、例えば直近で不出来だった上島選手、エドゥアルド選手は果たして開幕当初から比べてボール保持の振る舞いは成長しているのでしょうか。

上島選手はまだ加入半年なので多少のエクスキューズはありますが、エドゥアルド選手の身体のアングル、ボールの蹴り方、ボールリリースの判断、全てにおいて昨年から何も変わっていないとしか私には見えません。

畠中選手も成長したというよりは「良かったころに戻った」といった方が近いでしょう。

全員が渡辺選手くらいの成長をしていかないとそもそも成り立たないようなスカッド編成なのに実際はそこまでの成長を見せられてない、と私は感じます。

そして何より、天皇杯町田ゼルビアさんに大敗してますよね。

あえて実名を出しますがオビ選手、木村選手、杉本選手あたりが特にマイナスなパフォーマンスでしたが、オビ選手は1年以上、木村選手も半年以上、杉本選手も4か月以上在籍していた中で何もできなかったのが事実です。

勿論彼らの能力が不足していたのかもしれませんが、じゃあチームのサッカーを体現するための技術を適切に指導できていたのか?とやっぱり思ってしまいます。

 

「怪我人が多いから仕方ない」は裏を返せば「チームのサッカーを遂行できない選手が多いから仕方ない」と解釈できるわけですが、それもおかしな話です。

チームのあるべき姿として、「やりたいサッカーに向けて同じベクトルを向いて成長する」ことがあると思いますが、つまりはそれなりの数の選手たちはその方向を向いてないがために成長していないというわけです。

だとしたらそのチームを健全だと私はどうしても思えません。

首脳陣がどういったスキルを伸ばせばいいのか理解出来ていない、選手も何をすればよくなるのか理解できていない、だからビルドアップが全くできないと私の目には映りました。

 

これらのことをずっと頭のなかでぐるぐると考えていたのですが、やはり私としては今のマリノス

難関大学を目指そうとするも、勉強の仕方がなってないがために全然成績が伸びない高校生みたいに見えてしまいます。

 

「勉強の仕方やどこから勉強してどう伸ばしていくのか」は本来自分でゼロから発見することはなく、教員なり塾予備校の講師の力を借りてある程度の大筋の道を一緒に立ててもらいながら、そこからは自分なりのやり方で学びを深めていくものでしょう。

 

それは決して「1から自分で探す」ものではありません。逆にそんなもん無駄です。

サッカーも同じで1から100まで細かく指導することが正解とは限りませんが、大筋を果たして用意できているのか、そのためにどのようなスキルセットが用意できているのかというところに私は疑問を持っています。

監督は正解を持っていなくともかまいませんが、やるべきことくらいは明確にして伸ばせるようじゃないといけません。

それすらも「自分で考えろ」ならば指導者なんて職業は無くて結構です。

そこまで行き切っていないとは信じたいですがね。

 

・編成面と予算面

とはいえ編成、また予算の面でどうしても限度があるのは事実でしょう。

今のご時世、若手~中堅の選手の海外志向はどうすることもできません。

かつての古橋選手のように高額な違約金でギッチギチに縛る例もありますが、そうすると今度は欧州志向のある選手から避けられてしまいます。

もっと言うとJ2やJ3からでも欧州上陸を果たすことができる事例がいくつも見られますし、ますますマリノスというJ1上位で言い方は悪いですが無駄にポジション争いだけは厳しいクラブに入団するメリットが薄れてきています

そんな中でサイクルを回すことの難しさはかなりのものがあると思います。

また後述しますが、その割に新卒で活躍するには難しすぎる土壌、レンタル先選びの雑さ、下部組織の残念さとサイクルを回すには難しい要素が揃い過ぎています。

 

じゃあ

ヴィッセル神戸みたいにシンプルな質を押し出すサッカーではいかんのか?」と

やはり思うわけです。

実際ゴールという目的、なんなら大迫という地点に向けて迷いのないサッカーをしているため見ていて気持ちいいと感じることはあります。

ポゼッションが好きな人たちは気に入らないのでしょうが、あれはあれで一つのスタイルですし、ふた昔前のイングランドって大体あんな感じだったよなwとも思うわけです。

ただ、それも出来ない理由があります。

やはりそこは歴然とした経済力の差です。

 

移籍金云々ではなくベースの年俸が高いのが肝要なんだと思います。

現状ユニフォームのスポンサー枠すら埋められていないチームにそんな芸当は出来ないでしょう。

根本的に金の話になるのはあまりに「答え」すぎるのですが、現段階でベースの年俸を急激にアップすることもできず、待遇重視で欧州志向のないベテランを確保するのは現実的ではないでしょう。

 

スポンサーから逃げられてばっかりで営業担当者が何をやっているのだ、という声はありますが実際内情が分からないのでちょっと何とも言えない部分はあります。

当然ですがクラブ側は何もかもを包み隠さず話す必要などありませんしそんな義務はありません。

ただ、こういう現状の中で聞き分けよく「いろいろな事情があるし仕方ない。営業担当も頑張っているしファミリーなんだ。」と飲み込める人間ばかりではないのは当然ですし、フロントを非難する人たちに対して私自身は「そんなことをいうべきではない」なんてことは言えないです。

 

幾人もの人が集まっているため、色々な声があります。

せめてサポーター間で言論統制などと気色の悪いことをしないでもらいたいものです。

 

話は逸れてしまいましたが、現状のマリノスの財政状況ではベテラン多めの編成にしてシンプルな質で殴り勝つスタイルに移行することは現実的ではありませんし、十中八九ヴィッセル神戸の下位互換になります。

 

・育成とは

そして私が非常に腹立たしく、また問題意識を持っているのは育成です。

この育成は新卒選手、下部組織出身選手ともにいえることです。

この6年間(2018年~2023年)で新卒としてマリノスに入団して戦力になったのは角田涼太朗選手だけではないでしょうか。

勿論現状期限付き移籍先で奮闘している選手もいますが、それにしても何人も迎え入れてなぜこうなってしまうのか、というところです。

下部組織出身選手に関しても2016年に入団した遠藤渓太選手がいっぱしの活躍を見せて渡欧してくれましたが、彼以降他クラブで主力になった選手はいれどマリノスのために働いてくれた選手はほぼいません。

せめていくばくかの移籍金を残してくれていればなおよかったですが、それすら数えるほどしかいません。*2

育成は運要素も強いですし、実力の劣る若い選手をシビアなプロの舞台で愛人起用することが正しいかと言われたら正しいとは言えないでしょう。

ですが他クラブでは上位でもそれなりの割合で若い選手が出てきています。

マリノス以外だと完成度の高いベテランが多いヴィッセル神戸くらいじゃないでしょうか。

 

これは

・若い選手を戦力化できない現場の問題

・大したことない選手を過大評価して加入させてしまう目利きの問題

・入団してから致命的な問題点が見つかる選手の問題

・能力のある選手を育てられない下部組織の問題

・選手のスタイルを考慮しないレンタル先を選択するフロントの問題

と大きく5つの可能性がある中で複合的に絡み合っているため、どれがどうとは中々言いづらい面はありますが、チームとして本気で恒常的に強くあろうとするのであれば近々の下部組織出身選手の貢献度の低さ、新卒選手の戦力化の拙さはもっと問題視しないといけないと思います。

「プロの世界は厳しいから活躍できなくても仕方ない」で済ませていては後々クラブの首を絞めるだけになることでしょう。

 

余談ですが前任監督および前任強化部の時は町野選手のような本物のプロスぺクトを惜しげもなく手放しておきながら、今の現場と強化部は町野選手と比較するのも失礼なくらい天井の低い選手たちの成長に期待した編成で戦わされているのは気の毒だと思います。

「若手の成長の期待しよう」と言っている人が数年前は「町野選手は出番がないから手放すのもしょうがないよね」って言ってるの怖くないですか?

責めたところで当時の担当者はもう誰もチームに残っていないのですがね。

まあ余談なのでこの辺で。

 

・結論

今のチームはやりたいサッカーに向けて1つになっていないように見えますし、その理由は監督や首脳陣がどのようなプレーが必要かを選手に提示できていない、もしくは具体的に指導できていないからです。

そんな状態でやる挑戦にどこまでの意味があるのかわかりませんが、私には蛮勇にしか見えません。

そのうえで完成品を買いそろえるような財政状況にはないですし、どうしたって選手を伸ばしてあげないといけないのが今チームを取り巻く環境ですし、その中で新卒選手や下部組織選手の貢献度の低さは問題視すべき点だと思います。

 

ネガティブなことばかり言っていますが、ここまでネガティブ要素があっても現状*3で首位と勝ち点差2の2位なのだから焦らず、慌てふためかず、やるべきことを見据えて見つめなおしていけばいいのです。

欲しいのは今年だけのかりそめの栄冠ですか?それとも向こう10年単位の栄冠ですか?

 

とこんな形で締めくくらせていただきます。

 

 

 

 

 

あとがき

 

ここまでマリノスというチームに対する自分なりの懸念点、「なんで?」をまとめましたが、率直にここまでの分量になるとは思わなかったです。

と、同時にどうしても最近のマリノス界隈で不可解というか承服しかねることがあって、それは「マリノスがやることなんだから正しい」と信じて疑わないサポーターです。

 

私のようなひねくれものはどうしてもそういう捉え方は出来ないのですが、選手獲得も、放出も、それ以外の人事系も、スポンサー周りも、グッズ関連も、なにもかもです。

そして、ピッチ上の現象に関しても全肯定です。

というか否定的な意見を認めようとしません。

まるで謝ったら負けな厄介な人みたいになっていますね。

少なくともどのムーブも完全無欠否定するところがない、っていう状態で否定的な意見を言う人がいればそりゃ「なんでだよ」とはなるでしょうけど、今のマリノスのチーム状態そんなええ感じじゃないですよね?

多分あめぷら大学硬式野球部監督のほい助でも「今チームええ感じやねん」とは言わないでしょう。

 

私個人は「スポーツはスポーツ」ですし、中長期的に何をどう選択して進んでいくのか、という戦略の面にとても興味を持っていますが、その中でミステイクもきっとあることでしょう。

 

ミスらないで運営できるチームなんてありません。

あのレアル・マドリードですらエデン・アザールで大損こいたわけですし、どのクラブも大なり小なりやらかしつつ、多少の遠回りはしつつ進んでいるのです。

 

マリノスだけ例外的に補強も全当たり、やることなすこと全ていい方に向かう、なんて都合のいいことは無いわけです。

とはいえミスってディスアドバンテージを取ることはいいことではないですし、そこに対して文句や懸念を発信するのは当たり前のことです。

その当たり前を認めず、ありとあらゆるムーブの肯定を強要している節が気持ち悪くてたまりません。

失敗補強は失敗補強といえばいいんです。NPBのファンなんかは当たり前のように外れ外国人選手をバチボコに非難していますが、それを見とがめる人はあまりいません。

だって普通のことなんですから。

 

例えばアザール獲得を肯定するマドリティスタとか想像してみてください、気がふれたとしか思えなくないですか?

バルトメウ政権を「あれはあれでよかった」というクレがもしいたら多分疲労が溜まりに溜まって限界なのでさっさと病院に連れていくべきです。

 

そして一番気持ち悪いのは「ファミリー」推しです。

何がファミリーなのでしょうか。

私は家族になら良いことも悪いことも全部言います。容赦なくダメ出しもしますし、されてもしょうがないと思っています。

でも「マリノスファミリー」は違いますよね?

苦言や疑問は許されざる行為ですし、「ファミリーたるものクラブを信じなくてどうする。」みたいなスタンスですよね。

でも例えば、毎日勉強する様子もなく遊び呆けている浪人生の息子、娘を100%信じます?

いや絶対口出しするよね?

って話なんですよ

ファミリーっていうけどクラブは本当の家族くらい近くて口うるさいのは求めてないし、ファミリー連呼している側もただ甘やかしたいだけ、なんならクラブを信じる自分に酔いしれたいだけ。

私の目にはどうしてもそう映ってしまいます。

そんな関係、そんな関わり方が駄目だとまでは言いませんが、その関係が正だというのであれば流石にちょっと距離を置きたくなります。

 

ちょっと話がそれてしまいましたが、私自身は何も気にすることなく発信していきます。

そんな高頻度では更新できませんし、多分また野球など別の話題とかも色々書いていこうとは思うのでまあゆるゆるとお付き合いいただけますと幸いです。

本日も長々とした文章をお読みいただきありがとうございました。

*1:いわゆるブライトンがやっているような疑似カウンターというやつですね。

*2:多分山田康太選手と椿直起選手くらいでしょうか。

*3:26節段階