こんにちは
私です。
ここ最近、国内外問わずサッカー界で監督解任の話がいくつも立ち上がっています。
また同じくイングランドのチェルシーはつい半年前にブライトンから引き抜いたばかりのポッター監督を解任*2。
ドイツの超名門バイエルン・ミュンヘンでもナーゲルスマン監督を解任し、トゥヘル新監督の就任も発表*3。
また日本でもJ1復帰を目指すJ2清水が、ゼリカルド監督の解任が決まりました*4。
こういう時に流れてくるのが「安易に監督を変えて解決する訳じゃない」「もっと我慢すべき」といった声です。
実際途中解任となるとあまり良いイメージはありませんし、最初その監督で行くと決めたフロントの任命責任にもつながりますので当然です。
ただ、私個人としては「何が何でも途中解任は悪」とは思いません。
むしろいざという時に「損切り」も必要だと思います。
例えば、2020-2021シーズンのチェルシーはシーズン途中に任期2年目を迎えていたランパード監督を解任し、トゥヘル監督を就任させました。
その結果チェルシーは2020-2021シーズンのチャンピオンズリーグで優勝を果たすことができました。
少なくともランパード監督のままであればチャンピオンズリーグの制覇はあり得ない夢物語だったことでしょうし、確実に解任して正解だったと私は思います。
その後トゥヘル監督が解任されることになったとしても、ランパード監督をそのまま引っ張って何も得ることもなくシーズンを無為に過ごすくらいならビッグタイトルを1つでも獲得できた時点で成功でしょう。
他にも監督解任によってプラスになった事例はあります。
決して監督解任そのものが悪手と決まったわけではありません。
判断基準が必要だと考えます。
・監督解任の判断基準
よく「勝ち点」や「順位」といった定量的な指標をもとに監督解任をされるイメージがあります。
実際清水のゼリカルド監督も、10試合で勝ち点目標が20だったそうですがふたを開けたら7試合で勝ち点5ということで解任となりました。
ただ、私は「ただ勝ち点や順位だけを見て監督解任に動くのは極めて危険」だと考えます。
勝ち点で行けば、サッカーの1試合単位でみれば運の要素は決して小さくありません。
1年間で30試合以上戦えばある程度運は収束するものですが、5試合、10試合程度となると運が下振れて本来取れる可能性のあった勝ち点より低い勝ち点に終わってしまうのは十分あり得ます。
また、順位に関しても同様で順位は自分との戦いではなくあくまで他チームとの相対比較になります。
図抜けて強いチームがいれば上に行くのは厳しくなりますし、逆に極めて劣るチームがいれば最下層に行くこともなくなります。
要するに数試合~十数試合の勝ち点や順位は運要素や他チームとの兼ね合いが大きすぎるため、チームの成否を判断するには判断材料として弱いのです。
また、よく言われるのが「内容が悪いから解任」ですが、ここも気を付けないといけないことがあります。
「内容が悪い」理由をちゃんと分析できているのか、何が原因なのか、そもそも内容が悪いのかということを検証しないと「解任しなければよかった」ということにもなりかねません。
このあたりの内容論は大まかには下記3通りのパターンに分けられると思います*5
①監督のやり方がまだ浸透しきっていない
②編成の失敗や負傷者の影響で監督の戦術に必要な人材がいない
③監督の手腕不足でやりたいサッカーを落とし込めない
こうなったときに③の場合であれば解任やむなしですが、①と②は監督解任より前にやること、やれることありますよね。
それを①も②も③も一緒くたにして内容が悪いという理由で解任するのはこれまた危険だと思います。
そして、最後に私が思う監督解任の基準を書きたいと思います。
それは「伸び代がない」です。
要するに当該監督にシーズン残りの期間ないしは契約している残りのシーズンを任せてもチームは特に何も成長しないし変わらないと感じたら、そこは解任してもやむなしではないかと私は考えています。
監督を解任しないことそのものがいいことではなく、突発的な解任によって次以降の監督選びも混乱した状態で場当たり的なことがいけないのです。
確かに長い目で見て強い、芯のあるチームを作るうえで「監督の途中解任」はあまり好ましいものではありませんが、それはあくまで手段です。
「解任しないこと」が目的になってしまうようじゃ意味がありません。
そして、なるべくしたくはない「解任」をしてもいいと思えるのが、チームの伸び代が感じられなかった時です。
今以上の伸び代がない監督にシーズンを任せるということは即ちそのシーズンの積み上げをすべて放棄し、シーズン中はただ漫然と試合をこなすだけになってしまいます。
サッカー選手にとって1年は重く、サッカー界において漫然と過ごす1年は致命的な遅れにも繋がりかねません。
この監督のサッカーを、スタイルをこれ以上続けてもっと選手は伸びるのか、チームが成長するのかという観点から続投ないしは解任を決断するのが一番良いのかなと思います。*6
無論伸び代のあるなしは結局評価者の主観になってしまいますが…
皆様の応援しているクラブはいかがでしょうか?
まだ伸び代ありますか?
私の贔屓はどうでしょう、皆様どう思いますか?
本日もお読みいただきありがとうございました。
*1:
トッテナム、コンテ監督との契約解除を発表…副官が今季終了まで暫定指揮へ | サッカーキング
*2:
チェルシー、ポッター監督を電撃解任…昨年9月就任もリーグ11位に低迷 | サッカーキング
*3:
“3冠”狙うバイエルン、指揮官を電撃交代 ナーゲルスマン解任とトゥヘル就任を発表 | サッカーキング
*4:
ゼ リカルド監督 契約解除のお知らせ | 清水エスパルス公式WEBサイト
*5:あくまで大まかなのでご留意を。
*6:ただし、タレント並べてひたすら質でボコスカに殴り散らかすだけのチームは例外です。そういうチームに必要な監督はタレントを気持ちよくノせてあげることとコンディション調整だけです。