こんにちは。
なんか、ACL決勝進出前後くらいから「マリノスに優勝されちゃうと、マリノスが巨額の資金を手にするからやばい!マリノス負けろ!」みたいな感じの声が聞かれまして、冷静になって「サッカー界において特段メインコンテンツとも言えないCWCに参加するだけで80億も貰えるわけなくね?」と思ったのでちょっと検証というか調べてみようという気持ちになりました。
■新CWCのフォーマット
大前提として基本同国のクラブは2チームまで。ただし、各大陸選手権の過去3年をすべて同国の別クラブが制覇した時は3クラブとも出場可能だそうです。*1
UEFA(欧州)から12クラブ
CONMEBOL(南米)から6クラブ
AFC(アジア)から4クラブ
CAF(アフリカ)から4クラブ
CONCACAF(北中米カリブ)から4クラブ
OFC(オセアニア)から1クラブ
そして開催国から1クラブ
の計32クラブ参加となります。
詳しい参加チームは下記に載っています。
ここから、4チーム×8グループのグループリーグからの16チーム(もしかして8チーム)で決勝トーナメントにするのか、32チーム全部のトーナメントにするのかは分かりません。
■噂されているCWCの賞金
総額:25億ユーロ
優勝:1億ユーロ
参加チーム全員:6250万ユーロ
らしいです。
総額のでかさは置いといて、個人的な違和感は
「優勝とそれ以外の傾斜が小さい」ことです。
基本的にどの大会でも優勝、準優勝くらいまでがまあそれなりの額を貰えますが、早期敗退したチームはそのような優勝チームと比較するとかなり少ない額しかもらえないのが当たり前です。(後述に主要な大会の賞金を載せておきます。)
このCWCの賞金と言われている額だと、サッカーの大会としては違和感を覚えるくらいにある意味で”社会主義的”です。
やっぱり明確なソースがあるわけじゃなく、なんとなくの噂やさほど信頼を置けないようなソースだなあという感じがします。
■サッカー界における主要大会の賞金
言わずと知れたサッカー界の頂点を決める大会。
規模があまりに大きく、参加するだけでもらえる額が段違いとのことで規模によってはかなり潤うという話もよく耳にします。
そんなUEFAチャンピオンズリーグの賞金は以下になります。
総額:20億3000万ユーロ
優勝 2000万ユーロ(約33億4000万円)
準優勝 1550万ユーロ(約25億8850万円)
準決勝進出 1250万ユーロ(約20億8750万円)
準々決勝進出 1060万ユーロ(約17億7020万円)
ラウンド16進出 960万ユーロ(約16億320万円)
GSでの勝利 280万ユーロ(約4億6760万円)
GSでのドロー 93万ユーロ(約1億5531万円)
GS出場 1564万ユーロ(約26億1188万円)
これ、優勝したら2000万ユーロしかもらえないというわけじゃありません。
分かりやすく言うと、ラウンド16に進出したクラブは全員一律で960万ユーロを貰えます
そして、その中で準々決勝に進出したクラブには1060万ユーロを一律で配ります。
なので、例えば22-23のチャンピオンズリーグで優勝したマンチェスターシティを例にとると
グループリーグ出場:1564万ユーロ
グループリーグ4勝:280万ユーロ×4
グループリーグ2分:93万ユーロ×2
ラウンド16進出 960万ユーロ
準々決勝進出 1060万ユーロ
準決勝進出 1250万ユーロ
優勝 2000万ユーロ
総額で8140万ユーロ(137億7043万8000円)の賞金を獲得することになります。
とんでもないですね。
ちなみにですが、CWCの参加賞金と言われている6250万ユーロをCLで稼ごうと思ったらざっくりベスト4入りくらいの総額みたいです。
レベルこそチャンピオンズリーグに劣るかもしれませんが、国を背負ったアツさはやっぱりFIFAワールドカップにしかないものだと改めて感じさせてくれる、世界最大のスポーツの祭典です。
代表チームなのであまりお金のことを意識することはありませんが、当たり前ですがきっちり賞金はあります。そもそも放映権料エグいし。
総額:4億4000万ドル(約616億円)
優勝国は4200万ドル(約58億8000万円)
準優勝国が3000万ドル(42億円)
3位が2700万ドル(37億8000万円)
4位が2500万ドル(35億円)
8強が1700万ドル(23億8000万円)
16強が1300万ドル(18億2000万円)
1次リーグで敗退した場合も、900万ドル(約12億6000万円)
これはそれぞれの国の成績に合わせた賞金なので、例えば前回2022年ワールドカップで優勝したアルゼンチンは4200万ドル
ベスト16だった日本は1300万ドル
という形になります。
ざっくり参加するだけでFIFAワールドカップの優勝国以上の賞金を貰えるクラブワールドカップ、どんな大会なんでしょうね。
これまでのフォーマットにおけるクラブワールドカップの賞金は以下でした。
総額:1600万ドル
優勝:500万ドル
準優勝:400万ドル
第3位:250万ドル
第4位:200万ドル
第5位:100万ドル
第6位:100万ドル
第7位:50万ドル
どっちかというと非欧州クラブからすると出れたら名誉、みたいなイメージは強かったです。
欧州クラブはアウディカップとかタイガーカップくらいのノリで毎回来ている印象ではありましたね。
■個人的な考察
CWC自体のフォーマットを変えて、参加クラブを増やし、より大会自体の魅力を増そうとしている印象は受けるので、実際賞金は増えると思います。
とはいえ賞金総額25億ユーロも、参加するだけで6250万ユーロ獲得も信じられないですし、多分何かしらの情報の錯綜があったか、情報筋の桁が思いっきり間違っているかだと思います。
冷静に考えて、今まで大きな注目度があったわけでもないクラブワールドカップを、ちょっと改革しただけでUEFAチャンピオンズリーグ以上の賞金にするのは意味が分かりません。
もっと大会が育っていけば段階的に賞金が増えることはあるかもしれませんがね。
それこそFIFAワールドカップとクラブワールドカップ、どっちを見る人が多い、どっちに金を出したい、どっちにスポンサードしたい、といったらそれはもう前者でしょう。
FIFAワールドカップの賞金総額が4億4000万ドルであることを考えるなら、クラブワールドカップの賞金総額は良くて4億ドル、何なら2億ドル前後じゃないかと思います。
逆にレアル・マドリーやマンチェスター・シティといった欧州トップオブトップのクラブを12チームも呼ぶのは事実なので、あまりに安い金額にはしないでしょう。
しないでしょうが、流石に初手で25億ユーロは大きく出すぎです。
そこからどう配分するかは分かりませんが、まあクラブワールドカップで優勝できればワンチャン80億円の夢はあるかもね~位じゃないですかね。
一応円安が爆裂に進行してしまった結果、ただの参加賞で80億円に到達してしまう可能性はゼロじゃないですが、そんなことが起きたらそもそもサッカーどころじゃないので大丈夫です。
というわけで
「80億円なんか貰えないものと思うべき。ただ数億円前後の金額は期待できるし、なによりただの花試合じゃなく欧州や他大陸のチームと対戦できる経験自体は得難いものなので、出られるならそりゃどのクラブも出るに越したことは無い。」くらいの感覚です。
まああまりにリーグ悪すぎてACLへの自信は皆無ですがね(白目)