こんにちは
怒涛の連戦が終わり、一旦中断期間に入りまして、ここで一つマリノスの選手たちについて個人的な中間評価をできればと思っています
プロに対して偉そうに、といった意見はそもそもプロを舐めていると思うので無視していきますね
評価としてはYouTuberジェネラル小林さんの下記動画を見てインスパイアされたので、ある程度沿って使わせていただこうと思います。
・S評価:リーグ最高峰
・A評価:文句なしの主軸
・B評価:いわゆる平均的なスタメン格レベル
・C評価:サブなら十分な戦力。スタメンとしては不安定〜未知数
・G評価:非常に難しい
といった形ですが、直近の鹿島戦まで見ての評価になりますし、稼働の良し悪しも影響してきます。
また、公式戦で未だに1試合も出場していない選手と、慶應義塾大の塩貝選手は評価対象から外します。*1
では、行ってみましょう
・S評価
なし
申し訳無いですが、現状S評価たる選手はいません。後述しますが、S評価と迷った選手自体はいます。
今頑張っている選手たちが、S評価になれたらとは思っていますが、後半戦で現れてくれると嬉しい限りですね。
・A評価
- 松原健選手
2023年からですが、パフォーマンスの安定感、質が1ランク2ランク上がった印象があります。
今でも時折集中が切れたようなプレーはしますが、かつてと比べると格段に減っていますし、自分の大外めがけたクロスへの対応も抜群に良くなっています。
雑に一発狙いのスルーパスを出すことも減っており、組むRWGのタイプが多様になったからか、そのあたりの賢さも身についたと感じます。
Aバンコク戦の殺人スライディングには流石に唖然とさせられましたが、その後は何事もなかったかのように安定したプレーを続けており、非常に助けられていると思います。
- 植中朝日選手
個人的に最もS評価に近いのがこの選手です。
戦える、キープできる、運べる、出せる、得点機に絡める、プレスも有効とインサイドハーフとして期待された役割をバッチリ果たしてくれています。
元々はストライカーらしいストライカーという前評判でしたが、段々と万能戦士になってきており、欠かせない存在になりつつあります。
ただ、だからこそ我々がそろそろ恐れるべきは「急転直下」の4文字です。
可能なら今シーズン一杯は一緒に戦ってもらえたら嬉しいとは思います。
- 渡辺皓太選手
昨年はS評価でしたが今年はまだA評価です。
多少不在の期間があったというのもありますし、まだ今年はチームの中盤を支配しきれているとは言い難いです。
もともと能力の高い選手で、これからもチームを支えてくれる選手なのは分かりきっているので、ここからの巻き返しで十分S評価にはなると思います。
- ヤン・マテウス選手
個人的にAかBか迷いましたが、チームの攻め手が最後この人にすべて託されるようなことはあったので、その状態で奮闘している以上流石にBには出来ませんでした。
良い所は左足のクロスの質、スピードだけじゃなくて相手と駆け引きして一手先を行こうとするボールの持ち方です。
悪い所は守備の甘さ、特に自陣キープであっさり失ったり、自らのロストでジョグしたり、あとは得点機をミスすることも多いので、Bでも良かったですがチームの現状を考えたときにBは厳しいかなと思いました。
- アンデルソン・ロペス選手
2桁ゴールを達成したエースストライカーです。昨年はS評価ですが今年はまだA評価です。
というのも守備貢献が低く、チームのバックラインが苦しんでいるのも彼(やヤン選手、後述する他の選手たち)の責任も小さくないと思います。
また、守備貢献のみならず後ろで受けるプレーも実は怪しくて、相手に突つかれたりすると割とあっさりロストしてしまいますし、得点機も心象メインですが割とチャンス外し気味なので、トータルの貢献度は実はそこまで高いとは言えないのかなとは思っていますし、B評価とも迷いました。
とは言え今のチームの選手層や過密日程の中で試合に出続けていることを考えてA評価とさせて頂きました。
・B評価
加入して間もないながら、チームを支えてくれているのは有り難い限りです。
実際A評価とも迷いましたが、まだチームのやり方に染まりきってないがゆえの迷いや退場が散見されたのでB評価とさせていただきました。
とはいえあまりにチームに問題があるのも事実なので、そこを言い過ぎるのも気の毒な気はします。
チームを勝たせるビッグセーブができる選手ですし、足元もメキメキうまくなっています。
このままならシーズン終わりにはA評価になっていそうな気がします。それくらい素晴らしい選手だと思います。
- 畠中槙之輔選手
負傷や不調などここ数年は災難続きですが、今期もやれることを淡々とこなしていて助かる場面は多いです。
また負傷してしまったようで非常に心配ではありますが、本人いわく大したことないとの事なので早期復帰を願っています。
対空防御の脆さやビルドアップの判断は怪しいところもありますが、シンプルにパスセンス自体は高いので無茶目に見えるパスがスッと通る場面はよく見ます。
- 永戸勝也選手
すっかりマリノスのSBとして馴染みきっていますが今期もレギュラーとして躍動してくれています。
H柏戦の右足シュートは「お前そんなん持ってたんかい」と思わずツッコみました。
守備は相変わらず良かったり脆かったり日替わり定食みたいなノリで見る側を困惑させてきますが、今のところはまだまだ1番手でしょう。
とはいえ、今後も安泰かというと今期は後述する加藤聖選手も段々と良くなってきており、バチバチの争いになるのを期待しています。
- 天野純選手
韓国から帰ってきてしばらくはハマってない感もありましたが、時がたち今や中盤のキーマンの一人。本格化するまでに少し時間がかかったのでB評価としましたが、実際このまま後半戦もいければA評価になるでしょう。
一つ注文をつけるなら、渡韓前はもう少しセットプレー上手かった気がしたんですけどどうなんでしょ?
- ナム・テヒ選手
地味ながらチームを支えてくれていました。
今は少し怪我で離脱していますが、安定感のあるボールキープや賢いプレーに助けられています。
どちらかと言うとフィジカルじゃなくてテクニック寄りの選手なので、今の後ろ向きで守らないといけないシーンが多すぎるチームだと守りで良くない部分が出ることもありますがそもそもそんなシーンを作られすぎるほうが問題です。
- エウベル選手
ボールを持てばピカイチのS評価ですが、今期は守備面が酷すぎるのと決定機周りでも質が低いのでB評価とさせていただきました。
あれだけ守備をしない、ネガトラでゆるゆるだとバックラインが決壊するのも仕方ないところはあります。
正直言うとエウベル選手は「どうしても点がほしいときの切り札」にするか、いっそ売却して売却益を運用することも考えていいと思っています。
・C評価
- 飯倉大樹選手
ベテランとして、控えGKとしてよくやってくれていると思います。
何より「マリノスのGKってこんな感じの位置取りで裏ケアしようね」っていうのをポジショニングで示しているところに頼れるベテランの味を感じます。
とはいえ全盛期と比べると衰えは否めませんし、足元も下手ではありませんが上手いかと言われるとまずまず程度なので飯倉選手にいつまでも頼っているようじゃ駄目だろうとも思います。
- 上島拓巳選手
序盤戦は文句なしのA評価でしたが、H蔚山戦の一発退場を契機にパフォーマンスが急落。
迷いのないプレーと卓越したフィジカルでチームのDFラインを支えていたのに、それを忘れたかのような迷いだらけのプレー選択。挙げ句の果てに声掛けをせずに味方の渡邊選手と激突してしまう始末。
恐らくはメンタル的にブレやすい選手だからこそ、蔚山戦の退場がきっかけで自分のプレーに迷いや疑念が生じたのでしょう。
ACL後のH柏戦は良かっただけにまずは自身の良さを取り戻すことから始めていってもらいたいです。
- エドゥアルド選手
日本人選手なら控え中心の運用でもいいけど、外国籍枠を使っている事を考えるとかなり物足りないですし、個人的には入れ替え対象にすべきだと思っています。
ビルドアップが苦手なことはずっと変わらずですが、守備面でも相変わらず直ぐ相手選手に食いついて裏のスペースを明けてしまうなど判断の悪さが目立ちます。
逆にACLのH蔚山戦やH山東戦のようにひたすら迎撃する展開だと圧倒的な強さを見せますが、あんな展開が大半じゃそもそも困るので彼の生きる場所としてマリノスというチームのスタイルが相応しくないんだと思います。
- 渡邊泰基選手
加入後しばらくはチームにフィットしているとは言い難く、判断も悪ければビルドアップもミスが多かったのですが、Hアル・アイン戦で途中から試合に出た際には相手選手との間合いを完璧に取りシャットアウトし、そこからの流れで好パフォーマンスを期待されましたがFC東京戦で上島選手と激突して今は戦線離脱中です。
序盤戦の不出来でC評価にしていますが、戦線復帰し、あの時のパフォーマンスを出せるならA評価も見えてくると期待しています。
- 加藤蓮選手
移籍加入当初は一番期待値が薄く、「ヴェルディの準レギュラーなんて獲ってどうするんだ」という声もありましたが、そこに関しては彼自身が実力で覆したと思います。
とはいえまだまだサブ中心の運用ないしは便利屋的な起用になるのはやむなしで、攻守においてまだレベルが追いつききれていない所はあります。
ただ、実質RSBを松原選手一人で回していた地獄からすると、このクラスの選手がちゃんとプレータイムシェアされるのはそれだけでチームとして助かると思います。
まだまだ先ですが、松原選手を食えれば代表や海外も見えるかもしれません。
- 加藤聖選手
長崎から来たレフティーは、昨夏失意の負傷でほぼ出場機会のないままシーズンを終えましたが、今期はアピールを続けてLSBの2番手として這い上がりました。
キックの強さと独特の軌道は永戸選手にもない魅力で、一瞬のクイックネスもあるので世代交代にも期待したいです。
A浦和戦のJ1初ゴールは実に見事でした。
とはいえまだ永戸選手からポジションを奪い切るまでには至っていないので、C評価となりました
- 喜田拓也選手
チームを支えるキャプテンですが、"アンカー"として見るとC評価にならざるを得ません。
とはいえこのチームにB評価以上のアンカーはいないので、消去法的にスタメンの1番手にはなりますが、一人でスペースをカバーし、配球するタスクをこなすのは簡単ではありません。
必要な所に顔を出して潰してくれるタスクのおかげで助かっている部分はありつつ、食いつきすぎたり、配球能力の低さやプレス回避の怪しさ、視野の狭さなど気になることが多いのも事実で、本来であれば優秀なアンカーを獲得して喜田選手は守備のUTとして運用するのがベストだと私は思っています。
- 山根陸選手
チームで一番、周囲のスペースを把握できて時間を作れる選手ですが守備面で不安定な所があり、まだまだC評価にならざるを得ません。
特に安易にスライディングしようとしたり、後ろから無理目のチャージをかけたりと良くない面はしっかり良くないです。
チーム1のスキルを持っているだけに、ひと化けすれば大ブレイクしそうですし、そういう化け方をして海外に行った選手はマリノスにもたくさんいます。
期待はしますが、まずはアンカーでもインサイドハーフでもいいので居場所をより強固にして地位を上げることからになると思います。
- 井上健太選手
直近のA鹿島戦まではG評価でしたが、鹿島戦のパフォーマンスがあまりに出色だったのでC評価としました。
まだ、たまたま良かっただけかもしれませんが、それでもWGの選手層に多大な問題を抱えているだけに彼が今後も好パフォーマンスを続けてくれると本当にチームとしては助かります。
スピードをただ活かすだけじゃなく、スピードを活かすために何をすべきかをちゃんと考えられているようになっていたのを感じます。
・G評価
- 白坂楓馬選手
正直なところ、白坂選手は3番手ないしは4番手なら問題視するほどじゃないと思います。
2番手としてACLやJ1の試合に出る質はないというだけで、そういう意味ではセカンドGKの見立てが甘かったのはフロントのほうに責任があるのではないでしょうか。
他クラブの3番手、4番手と比較して白坂選手が大きく劣るとは思いませんが、2番手としては難しい、ただその中で試合に出ざるを得なくなって必要以上に評価を下げてしまったというのは気の毒だと思います。
- 實藤友紀選手
試合出場はリーグのA新潟戦だけですが、その試合のパフォーマンスがあまりに酷かったのと、平素の稼働が悪いのが問題です。
ベテランCBとして望ましいのは、普段は試合に出なくともたまに試合に出たときにはレギュラー陣の7掛けや6掛け程度でいいので試合を壊さない程度に締めることですが、稼働が悪く出てほしいタイミングでいなかったり、いざ試合に出ると試合を壊したりと正直これ以上契約する意義をあまり見いだせないと感じます。
せめてもっと頑丈であれば我慢もしますが、稼働も質も低いとなるとどうしても無理があります。
- 山村和也選手
期待はされていましたが、怪我ばかりでまともに稼働できていないのでこの評価となりました。
本来ならCBないしは中盤の守備要員、時にはスタメンで出るくらいの期待をしていましたが、今のところは見事に裏切られていると感じます。
とはいえ山村選手自身は先述の實藤選手と違って稼働が極端に悪いわけでもないため、今後の貢献には期待していますが、おそらく年齢的にも単年契約でしょうし、このままの稼働なら来年どうなるか…とは思います。
- 小池龍太選手
申し訳ないですが、稼働が期待できないのならG評価にせざるを得ません。
サッカー選手の価値はまず根本的に「試合に出る」ことです。
負傷したくて負傷する選手などこの世に一人もいないことくらい百も承知ですが、彼が試合に出ないことで松原選手が限界を超えて無理をしていた昨年を見ています。
稼働していた頃のパフォーマンス、貢献は当然覚えていますが、丸一年半ほどまともに稼働していない選手を高評価するのは私にはできませんでしたし、それはプロサッカー選手に対してあまりに失礼だと考えます。
「小池選手が一番つらい」といいますが、つらかろうが関係ありません。
小池選手のいない穴を無理して埋めていた松原選手や慣れないRSBに駆り出されて苦悩していた上島選手や村上選手を思うと、いくら負傷で試合に出れなかったとしても小池選手に同情する気にはなりません。
- 小池裕太選手
H湘南戦でWGとして出場していて、好パフォーマンスを見せてくれていたのですが、それ以降音沙汰なしとなると、こちらもG評価にならざるを得ません。
いいたかったことはほぼ小池龍太選手のところで言ったのでこれくらいにします。
- 吉田真那斗選手
小池龍太選手の負傷にともない、ドミノ的にマリノスに加入した大卒新人ですが現状戦力になっているとは言えないでしょう。
鹿島の濃野選手や柏の関根選手、セレッソの奥田選手など大卒*2の同じポジションの選手たちがJ1で躍動する中、吉田選手の現状は本人ももどかしいでしょう。
とはいえ、焦る必要もないのでまずは夏に期限付きで移籍するのがいいのではないでしょうか。
年齢を考えてもまず必要なのは試合経験でしょう。
- 榊原彗悟選手
もしかすると意外に思われる方もいるかもしれませんが、私個人としてはあまり評価していません。
本質的に肉体がJ1の規格からあまりにかけ離れています。
テクニックや視野、サッカーIQの土台はフィジカルです。
最低限のフィジカルがなければ、どんな武器も武器にはなりえません。
また、多くの人たちがいうほど私は榊原選手が特別な才能を持った選手だと思っていません。
プレイヤーのタイプとして、例えば中村憲剛氏、遠藤保仁氏、今だと大島僚太選手や柴崎岳選手のようなタイプのひと時代前の司令塔型ボランチでしょう。
とはいえ彼らほどスペシャルなスキルもないですし、「ただ上手い風」のひ弱な選手だと感じます。
インサイドハーフだと弱さが出るのでアンカーで、という声もありますがそもそもアンカーはある程度フィルターにならないと困るわけで、彼のフィジカルじゃそこがまずアンカー失格ですし、なおかつH蔚山戦で上島選手の退場につながったロストは榊原選手の判断ミスが始まりであり、ボール保持時の判断、選択も非常に疑問が残ります。
ちょっと小手先の技術がうまいだけで過大評価された選手にしか思えませんが、幸か不幸か今期そこそこ試合に出ているのでうまく他クラブに買ってもらえるかもしれません。
- 宮市亮選手
宮市選手については下記の記事でほぼ書き切っているので、この場で特段言うことはありません。
しいて言うなら「大舞台に強い」という根拠のない幻想がACL決勝で破られてしまいましたね、ということくらいですかね。hapmldp.hatenablog.com
- 水沼宏太選手
チーム屈指のベテランですが、昨年から非常に怪しいパフォーマンスに終始していました。
今期もやはり厳しい場面が多く、攻守ともに精彩を欠いている状態です。
もともとボールを持って突破したり、プレスをいなすのはそこまで得意な選手じゃありませんでしたが、ここ最近はそんな次元を超えてロストを繰り返しているのが気になります。
キックの質は相変わらずですが、キックの質だけでは収支が賄えないほど他が苦しいと思います。
彼自身の言葉から、マリノスへのロイヤリティは強く感じますが、プレーからは全く感じません。
正直、今の水沼選手が本気でマリノスを愛しているなら、水沼選手がやることはマリノスを去る決断をすることです。
- 村上悠緋選手
昨年は小池龍太選手の負傷にともないSBをやらされたり、前線のUTとしてカップ戦にちょくちょく試合に出ていました。
今期は加藤蓮選手の存在もあり、SBで出ることはほぼなくなりましたが、前線でインパクトを残せず、H川崎戦のあんまりな出来で完全にキューウェル監督に見切られてしまった様子です。
実際見切られても仕方ないパフォーマンスなので、現状の村上選手の不遇に対して特に思うことはないのですが、本人の市場価値を考えて夏にレンタルに出すのもいいと思います。
戦力にならなくても値札が付いてくれれば多少なりともお金になりますので。
・総評
改めて整理したらG評価の多さに苦笑しました。
こんなスカッドを託されて結果を残せと尻を叩かれるキューウェル監督は気の毒といわざるを得ません。
久里浜の事務所に退職代行モームリから「キューウェルさんが退職したいです」なんて電話がきてもやむなしだと思います。
また、S評価の不在も決して過度に厳しく見たつもりはありません。
フラットにみてS評価に値する選手はいませんでした。*3
ただ、渡邊泰基選手や井上健太選手、加藤聖選手といった今C評価の選手たちはここからB、Aと上げていく期待は全然あると思っていますので彼らの成長および夏の移籍市場に期待したいと思います。