2024シーズン横浜F・マリノス編成

こんにちは

本音を言うと、先日流れたユニPVとそれに付随するタレントさんに関する話題について書きたかったのですが、正直その話題を書くだけで結構疲れちゃうので今回はIN/OUTから見た2024マリノスの編成について書いていきたいと思います。

 

追記(2024/2/13)

西村拓真選手がスイスのセルヴェットへ移籍することになりましたので、追記します。

 

■GK

●OUT

一森純(G大阪/レンタルバック)
オビ・パウエル・オビンナ(神戸/完全移籍)

●IN

ポープ・ウィリアム(町田/完全移籍)
寺門陸(山口/レンタルバック)

 

やはりどうしても手痛かったのは一森選手の流出でしょう。

流出とはいえ、引き止められなかったこと自体がクラブの瑕疵とは思いませんし、ガンバ側も東口選手を超える可能性を見出したことでしょうし、プロテクトは当然と言えます。

そうなった時に町田のポープ選手を獲得する運びとなりましたが、私は恥ずかしながらポープ選手の具体的なプレーを見たことがないため何とも言えないです。

足元ばかり言われますが、どちらかというとラインのケアで飛び出す勇気、ミスをしても引きずらないメンタリティの方が重要で、一森選手はその辺がちょっと異常なくらい長けていた印象です。

それが出来るのであればとりあえず彼を主軸として期待すればいいですし、フィットに苦しんだとしても飯倉選手で賄えるところかなとは思います。

オビ選手は戦力としてみると、こういう言い方が正しいかは分かりませんがそこまでの痛手ではなかったと言えます。

先述の通り、いわゆる従来のGK像を打ち破ることを求められるチームにいながらも、なかなか思うように殻を破れなかった印象です。

そういう意味では下部組織育ちであり、レンタル先でも高いラインのケアやビルドアップの起点となるプレーを経験済みの寺門選手のほうが戦力としての期待値は大きいと言えます。

トータルで見たときに、一森選手のマイナスをポープ選手がどれだけ埋められるかにかかっているところはあるため、やや賭けに近い編成かもしれません。

 

■DF

●OUT

角田涼太朗(海外クラブ移籍交渉中)

●IN

渡邊泰基(新潟/完全移籍)
吉田真那斗(鹿屋体育大学/新卒加入)
加藤蓮(東京V/完全移籍)

 

まず初めに、短い間ではありましたが大学サッカー界屈指の選手がマリノスを選んできてくれて、一緒に優勝も経験できたことは私は心から喜ばしく思います。

角田選手は日本代表の常連になれるだけの力を持っていると私は思っていますので、是非とも欧州でも頑張ってほしい限りです。

そんな中で角田選手がいなくなる穴を埋めるという観点から見ると渡邊選手のチョイスは100点満点ではないでしょうか。

渡邊選手の獲得で角田選手流出のマイナスを最小限に抑えることに成功し、なおかつRSBとしてアジア大会にも呼ばれ、既にマリノスでデビューも果たしている吉田選手、LSBが主戦場ながら色々なポジションでプレーできそうなUTの加藤蓮選手を獲得し、不測の事態がいくつか重なってもなんとかなるようなスカッドにしてきたなという印象です。

ただ、とはいえRSBは全員万全なら3人、LSBは全員万全なら4人となるとちょっと多すぎます。

放出というのもそうでしょうが、例えば小池龍太選手をボランチ中心に使ったり、小池裕太選手をLWGとして使ったり、意外な起用があるかもしれません。

楽しみに見たいと思います。

 

■MF

●OUT

なし

●IN

山村和也(川崎/完全移籍)
天野純(韓国・全北現代/レンタルバック)
植田啓太(栃木/レンタルバック)

 

果たして山村選手は言うほどMFなのか?という疑問はありつつも純粋に上積みができたと思います。

天野選手は言うまでもなく新シーズンのレギュラー候補筆頭格ですし、山村選手は守備のUTでも期待できますが困った時にその対空性能を生かして前でプレーすることも可能でしょう。

植田選手はユースの先輩でもある榊原選手や吉尾選手のようにまずは色々なポジションで便利屋としてキャリアを切り拓いていくことになりそうです。

しいて言うなら今いるボランチのうち渡辺皓太選手、山根陸選手の2名に関しては夏移籍で海外を目指すという可能性はあると思っています。

そうなると山村選手の主戦場は案外ボランチになるのかもしれません。

 

追記(2024/2/13)

西村選手が移籍することとなりました。

シンプルに戦力面では「何とかなる」と思っています。

ややもすると過剰気味だったことを考えれば、まあこんなもんくらいで緊急補強は要らないだろうと思います。

ただ、万が一レンタルバックとなると逆にどう使うんだろうというのは考えています。

 

■FW

●OUT

杉本健勇(磐田→大宮/レンタル終了)
●IN
なし

 

ほぼ動きがなかったと言っていいのはここです。

杉本選手は昨年ブログで獲得意図を書きました*1が、彼自身の負傷もあり、思ったような稼働は出来ませんでした。

それでもリーグ戦のH札幌戦で印象的なゴールを決めたり、ACLでも得点を記録。

出場機会が短いながらも腐ることなくチームの一員として戦ってくれました。

とはいえ戦力としてみたときには植中選手、村上選手がJ1の水にある程度馴染んできて昨年よりは最初から使いやすくなったこと、天野選手復帰によって西村選手のCF起用も考えられることからするとCF枠はもう十分に埋まっていたため、退団はやむなしだったといえます。

個人的に驚きだったのはWGにテコ入れがなかったことです。

エウベル選手、ヤン・マテウス選手の両WGは素晴らしいパフォーマンスでしたが、翻って水沼選手、宮市選手、井上選手はというと決して合格点を上げられるようなものではなかったと思います。

井上選手はすでに負傷で開幕に間に合わないことが分かっている状態ですが、34歳の水沼選手、32歳の宮市選手のバウンスバックをどこまで期待するか、代役としてナムテヒ選手を検討するか、など考えないといけないことは多いです。

 

そして、一部で言われている『世代交代』について私見を述べさせていただきます。

まずもって、今の時代は20代前半まででJ1クラブの主力になっているような選手はよほどの例外がない限り海外に移籍します。

一部、選手としての性能がピーキーすぎたりするとそういったオファーがかからない場合もありますが、基本は声がかかり、移籍するものと見ていいでしょう。

そうなると、頑張って世代交代を果たして、若い選手に切り替えたとてその若い選手たちが二束三文の移籍金でいなくなっていくのです。

果たして、万難を排してまで世代交代をする必要はあるのでしょうか。

世代交代というのはあくまで「強く居続けるための手段」であって、世代交代そのものを目的にしても意味はありません。

なので、私は世代交代が遅れていること、ベテランが多いことについて危機感はありません。

だってこのリーグ環境ならそうなるでしょうと。私はそう思っています。

 

■総評

2023年以上の過密日程を考慮しても、戦力のマイナスを最低限に留めたうえで、大半の現有戦力の引き止めに成功し、着実に層を厚くできたと思います。

明確な上積みは天野選手、山村選手、加藤蓮選手、吉田選手あたりでしょうか。

優・良・可・不可で言えば可にはなると思います、*2

あとはピッチで見せるだけ。

新監督にどこまでの手腕があるか、全く以て未知数ですが。

成功するならそれも良し、駄目ならきっぱりオーストラリア路線と手を切ってしまって良し。

そのくらいの感覚で見てあげたらいいんじゃないかなと思います。

 

 

 

■ユースについて

昨年に引き続き、2年連続でユースからの昇格がありませんでした。

ここに関しては人それぞれ意見は異なってくるでしょう。

とりあえずまず言いたいのは「誰一人昇格打診をすることがなかった」のか「昇格打診をしたけど断って大学進学を選んだ選手がいる」のか分からないことです。

内野航太郎選手(筑波大学)や木村凌也選手(日本大学)は昇格打診はあったものの、本人たちの意思で打診を断り大学に進学しています。*3*4

つまり昇格「させなかった」のではなく昇格「しなかった」ということです。

そうして考えると、例えば2023年度に高校3年生世代だった畑野優真選手、池田春汰選手、舩木大輔選手あたりは昇格の打診があったけど結局本人たちの判断で昇格を断った可能性はあるでしょう。

私個人としてはその流れで全く問題ないと思っています。

選手の成長曲線は人それぞれで、10代にプロの空気を吸うことでぐんぐん伸びる選手もいれば、プロアマ関係なく試合経験を積みながら20代半ばに伸びるような選手もいます。

実際マリノスユースから昇格して、即レンタルで中々結果を出せていない現状もあります。

ふと考えてみてほしいのですが、毎年トップ昇格させることに何の意味があるのでしょう?

毎年昇格だけさせて、一度もマリノスのユニフォームを着ないままレンタル先に送り込まれて消えていく選手を見せられて皆さんはそれでも毎年トップ昇格が見たいのでしょうか?

 

まず大前提として

●10代の選手が安定的に出番を確保できるほど弱いチームじゃない。*5

●若い選手のレンタル移籍において成功事例がかなり昔まで遡らないと無いこと*6

ということを踏まえて考えないといけないわけで、そう簡単に「ユースから昇格させてほしい」と私は言えません。

それとも、「勝敗を度外視してユースから昇格した若い選手を優先起用すべき」なのでしょうか。*7

もし、皆様が「若い才能が潰される姿を見て性的興奮を覚える」タイプの奇怪な変態なら私から何も言うことはありませんが、そうでないなら果たして「毎年トップ昇格」を求めることが本当にいいことなのか、というのは立ち止まって考えてもいいかもしれません。

 

*1:

hapmldp.hatenablog.com

*2:優・良までは流石に行けないかなと

*3:

[関東]「三笘選手をロールモデルに」…筑波大スーパールーキー内野航太郎は不発デビューも「大学に俺がいるぞということを」 | ゲキサカ

*4:

敵としてU-20代表に立ちはだかったU-20W杯守護神最有力の木村凌也「選ばれる自信はある」プロは「早ければ早いほど」 | ゲキサカ

*5:山根選手は極めて稀な才能ですし、遠藤渓太選手は当時のチームがさほど強くなかったです。

*6:大卒なら仲川輝選手、高卒なら下手すると斉藤学選手まで遡りそうですね。

*7:クラブの立ち位置によってはその考え方もありでしょうが、マリノスがそれをやるべきフェイズにいるかどうかは考えた方が良いでしょう。