現役ドラフトというイベント

2022年オフに始まり、もう市民権を得たと言っていい現役ドラフト。

実際成功例も多く、やってよかったと言えるでしょう。

とはいえ、まだまだ多くのファンも現役ドラフトへの理解を深め切れていないのかなとも感じているので、改めて現役ドラフトについて語っていこうと思います。

 

●現役ドラフトの大前提

誰彼構わず出せるわけじゃありません。

ある程度現役ドラフトに出せる選手にはルールが決まっています。

 

・FA権取得者および行使者は対象外

FA権を取るくらい一軍に登録されていた選手は対象外になります。

現役ドラフトの趣旨を考えると、一軍で活躍する場が限られている選手の救済が対象になるので所属チームでFA権取れるくらいの選手はそりゃ対象外になりますよね。

いわんや移籍か残留かは問わずFA権行使した選手なんて対象になるわけもない、といったところですね。

 

・外国籍選手は対象外

あんまりここを認識間違えている方はいないと思いますが、一応書いときます。

外国籍選手は自由競争で保有権の問題もないのでそもそも現ドラなんて必要ないといった話ではあります。

 

・年俸5000万未満の選手が対象になる。ただし、リストのうち1人は5000万~1億の間の選手も出せる。

ある程度以上の年俸を貰っている選手は基本的に対象外となります。

3億貰ってる選手が現ドラ出されても各球団困りますしね。

ただし、現ドラは1人だけ出すわけではなく2人、3人とリストを出すため、3人出す場合はそのうち1人は5000万~1億の間の年俸の選手を差し出すことも可能ではあります。

もし、5000万~1億の選手をリストに入れる場合は当該選手含め3人リストに入れてうち2人は年俸5000万未満の選手をリストに入れる必要があります。

とはいえまだこの2回でその年俸帯の選手が出されたことはありませんので、あまり考慮せずとも大半の球団は選択肢からその年俸帯の選手は外しているのかもしれません。

 

・複数年契約中の選手は対象外

そもそも先述の年俸の制限やFA権の事を考えると複数年契約でありながらFA権を持たずに年俸が5000万円未満というのはほぼ考えなくてもいいレベルの外れ値ではありますが、念のために頭に入れておくとよいでしょう。

 

・育成選手およびシーズン終了後に育成から支配下になった選手は対象外

育成選手はそもそも1軍に出られないですし、本人の意志や球団次第で育成契約を蹴って、自由に他球団の支配下契約も選べますからね。

また支配下に上がったばかりの選手は出番の有無を判断するのは来年オフ以降になるので、当該年の現ドラ対象外になるのは当然ですね。

 

・シーズン終了後にトレード加入した選手は対象外

シーズン終了後、つまり前年の日本シリーズが終わった翌営業日以降のトレードで加入した選手は対象外となります。ただ、前年のシーズン中のトレードだと対象になります。ややこしいですね。

 

●現役ドラフトについて考えないといけないこと

 

・選手指名において球団の意志があまり反映されない

各球団が欲しい選手を投票し、最も得票を得た球団からの指名となるわけですが、どの球団がどんな選手を欲しいか、というところは運ゲーでしかないので市場感を読み切っていい指名をするみたいなことはあまりできないと思った方が良いでしょう。

逆に言うとさほど人気の出なさそうな選手をポッと出して思ったより人気を得たり、一番人気の無い選手を指名せざるを得なかったけど思ったよりその選手が活躍して…みたいなことも全然あります。

 

・1番人気はポテンシャル枠より1軍実績があり、直近でも1軍で稼働していた選手

過去2回の現役ドラフトですが、前回一番人気がジャイアンツで、そのジャイアンツが出したのは北村選手。*1

その前の一番人気はファイターズで、そのファイターズが出したのが古川選手。*2

両名とも天井が高い若手というわけではありませんが、直近のシーズンも1軍で稼働しており、なおかつ1軍実績もまずまずあるタイプの選手たちです。

結果的に両名ともさほど活躍はしなかったものの、この手堅い選手の人気が続くなら、現役ドラフトで上位指名権を得たい球団はこの傾向に沿っても面白いと思います。

ただ、この2年で成功と言える成果を残した細川選手、水谷選手は一軍実績がほぼなく、投手でも大竹選手や佐々木選手は過去実績はあったものの直近はほぼ二軍暮らし、というようにあまり当てにならないし、読み切るのは難しいと言えるでしょう。

 

・補強の機会というよりは出会いの機会として

確かに結果的に補強になることはあっても、最初からあてにし過ぎるのも良くないです。

というのも自信をもって差し出したはずの選手が必ずしも人気を得るとは限らないからです。

それに市場を読むのもほぼ無理と考えると、あまり張り切って選手を差しだそうとするのではなく、使えなくもないけど来年在席しててもあまり出番も多くならなそうな中堅選手に新しい環境を与えてあげる。逆に似た立ち位置の選手を獲得して環境の変化や出会いによる覚醒やバウンスバックに期待する、といった感覚で良いのかなと思います。

それこそ佐々木千隼選手はまさにそのパターンだったと思います。