M-1グランプリを語る

こんにちは。

 

そろそろM-1グランプリの動向が気になる季節になってきました。

まとまってはいないのですが、M-1グランプリについて思っていることを言語化してみたいと思いこの場を借りて色々書かせていただきます。

それではよろしくお願いいたします。

 

・一大テレビショーと化したM-1グランプリ

M-1グランプリは表向きは「若手漫才師日本一決定戦」ですが、裏テーマとして「未来のスター発掘」という側面はあると思っています。

例えば優勝しなかったコンビの中でもオードリー、南海キャンディーズ麒麟、トム・ブラウンetc…などはその後のテレビキャリアで大ブレイクしたと言えるでしょう。

これは、「漫才」として面白いかどうかを測る以前に「タレント」、「TVスター」の新たな発掘という側面があるからです。

とりあえず「面白い奴」っていう箔をつけてその箔をもってしてTVで売り出しまくる、そんな構図だと思います。

 

・決勝に残ることのデメリット

ただ、決勝に残ることによるデメリットも全くないわけではありません。

それは、お茶の間に「面白くないコンビ」とレッテルを貼られてしまう可能性があることです。

そもそもM-1の決勝まで残るということは凄いことなのですが、とはいえお茶の間の大半の方が見るのは決勝のみ、よくて敗者復活くらいでしょう。

そうなるとトップオブトップの10人が集まるわけで、相対的に劣るコンビが出てきてしまうのはこれはもう致し方のないことです。

本来であればウン千人の中の10位や9位なのでとてつもなく凄いことですが、お茶の間は10人中の10位や9位としか見てくれません。

これは当然芸人が悪いわけでもなく、かといってお茶の間に責任もありません。

せめて受け答えで爪痕を残せていたり、ネタがやや王道じゃないけど面白いネタならバラエティで使われることもあるのでしょうが、ある程度しっかり目のネタでハネきらずに受け答えでも爪痕を残せなければ、決勝に残ったことにより、必要以上に「面白くないコンビ」と過小評価されてしまう可能性があります。

また、漫才はその場の流れや空気感でウケの量もそれなりに左右されることもありますので、場合によっては準決勝や準々決勝で敗退したコンビよりもアベレージは低いけど爆発力と巡りあわせで突破してしまうコンビ、もっと言うと本来であれば決勝に残ることが妥当じゃなかったのかもしれないコンビが決勝まで残ってしまい、場違いになってしまうこともあります。

そういう時のどうあがいても力が及ばない感は見ていてとてもしんどいものがあります。

 

・審査員も主役

M-1はとかく審査についての議論が絶えません。

実際審査員も主役の一部くらいに扱われているフシはあります。

実際あの審査員はああだこうだ、などと議論をするのもある種楽しみの一つではあったりします。

 

少し話は飛躍しますが、M-1グランプリという大会が、ストイックに「漫才の腕」のみで判断する大会であればプロで漫才をした経験のない人は審査員をすべきではないと思っています。

漫才をしたことがない人間が漫才の良し悪しを図るのは限界があるでしょう。

ですが、今のM-1グランプリは「スター発掘」の色が強く、面白い奴が正義なバトルロイヤル状態なので、漫才経験のない志らく氏や山田邦子氏などが審査員をやることに私は特段の違和感はありません。

志らく氏も山田氏も漫才の良し悪しはともかくとして、何が面白くて何が面白くないかの感覚は確立したものを持っているでしょう。

とはいえそういった非漫才系の審査員ばかりでは漫才の意味が薄れてしまうので残りの5名は漫才に強い審査員となります。

 

そんな審査員の採点ですが、昨年は山田邦子氏がトップバッターのカベポスターに84点という近年のM-1では稀にみる低得点をつけてざわつきましたが、カベポスターが多少割を食っただけで他の芸人の採点が無茶苦茶ということは無かったように記憶しています。*1

 

また、志らく氏は基本的にぶっ飛んだネタを高評価する傾向にあり、これは恐らく氏が「予想だにしない角度からの笑い」を重視しているのだと思います。

既に審査員を退きましたが、オール巨人師匠の評価基準は「しゃべくり漫才を高く評価しており、あとはネタの質を重視している」ように感じましたし、過去ご本人がそれに近しいことを語っていたように記憶しています。

審査員ごとの色はもっと強くあってもいいかもしれない、と思っています。

 

・見る側の流儀

よくM-1は「ニワカお笑い評論家たち」を生み出すと揶揄されます。

まあ実際そうだと思います。

ただ、それも含めて楽しみ方の一つなのかなとは思います。

「〇〇は90点」とか「△△は92点」とか…

その人それぞれに評価基準があり、そういったものを共有して楽しむ、そんなお笑いの大会はM-1だけだと思います。

KOCやR-1、The SECOND、THE Wなどのその他賞レースではそこまでの浸透はしていないでしょう。

そういう意味ではもうすでに国民的行事の1つといえるのかもしれません。

笑いのツボ、好きなネタはそれぞれです。

流麗なしゃべくり漫才こそ志向という方も、工夫を凝らしたギミック漫才に美を見出す方も、不条理でおかしなネタが好きな方も、とりあえず一番笑えたらそれが良いという方も…

言ってしまえば不正解はありません。

ただ「自分ってこんなタイプの笑いが好きなんだ」とM-1を通じて認知できるとこれからのお笑いライフ楽しくなるんじゃないかなとちょっと思っています。

 

・敗者復活の意義

よく言われるのが

「敗者復活は人気投票になりすぎているのではないか」という批判です。

確かに直近で見ても22年は決勝常連のオズワルド、21年は漫才師というよりもはやタレントとして知名度を得ていたハライチが勝ち上がったり、勝ち上がり切れなかったとはいえ人気と知名度のあるミキが高い順位にいたりと、純粋な実力以外のところを見られているようには感じます。

ただ、それこそ敗者復活の意義なのかな、と私は思っています。

別に従来の審査と同じ判定基準で審査員が裏で審査して一人決めるのなら、そもそも敗者復活などせずに最初から10人選んでおけばいいのです。

それこそ敗者復活なんてやるのが時間の無駄。

少しのスパイスじゃないですが、大会の中での審査に沿った9人+それ以外の魅力を認められた1人という構図はそんなに悪くないのかなと思います。*2

人気投票というなら、それまで培ってきた努力や実績が人気として表れているのも事実です。

また22年令和ロマン、21年金属バット、男性ブランコのように決して世間的知名度が高いとはいいがたかった組がネタの質だけで人気者を喰わんとしていたのは個人的にアツかったです。

もっというと人気投票だからこそ、「割り切った」ネタをして違う意味で注目を集める組もあります。

22年ダンビラムーチョ、21年さや香はいまだに覚えている方も多いと思います。

もしそうじゃないなら大変失礼なことを申し上げるのですが、2組とも本気で勝ち上がることより、敗者復活という場そのものをフリにして爪痕を残そうとしているように見受けられました。

これも敗者復活が今の在り方であるが故のいい意味での副産物なのかもしれないと私は思っています。

ただし、1点だけ「時間のルールを破った場合のペナルティがない」のだけは少しモヤモヤします。

ここも審査員がいれば減点対象となるのでしょうがいかんせん視聴者投票のため、時間オーバーを認めてしまうと無法地帯になりかねないためそこは得票数の調整などのテコ入れはあってもいいかもしれません。

 

・レベルのインフレ

最近のM-1はレベルがインフレしています。

前年ファイナリストの男性ブランコ、ヨネダ2000、キュウ、ダイヤモンドもそろって準々決勝で敗退しました。*3

それ以外にも決勝経験者で言えば最終決戦まで残ったことのあるインディアンスや滑り大魔神でネットをざわつかせたアキナ、M-1に全てをささげている川瀬名人のいるゆにばーすなどなど…

準々決勝敗退した中から9組ピックアップして「彼らが今年の決勝9組」といっても疑う人はいないでしょう。

もっと言うと3回戦敗退に終わった組の中でも面白い芸人は少なからずいます。

例えば彗星チークダンスはよしもと所属の若手男女コンビですが、漫才劇場でも常に笑いを取っており、3回戦ネタもかなり面白かったので敗退を知った時は「これで敗退するのか…」とかなり驚きました。

スポーツではよく「レベルは年々上がり続けている」と言いますが、お笑いも全く同じようになってきています。

 

・大会側にテコ入れを

そんなM-1ですがどうしたって1つ気になる、気にならざるを得ないポイントがあります。

それは「トップバッター問題」です。

圧倒的に不利、基準という口実で不当に点数を減らされる、なんなら暖まり切っていない空気を暖める役すらしないと行けなくなります。

ちょっとあまりに運要素が強すぎますし、例えば前年準優勝のさや香は「もしトップバッターだったら『からあげ4』*4で大会ごとぶっ壊そうと思っていた」そうです。*5

ここまでハードな大会を勝ち上がってきた素晴らしい芸人たちが、出順ひとつのちょっとした運で左右されてしまうのは個人的には納得していないですし、なによりそこを問題視してテコ入れしてほしいところです。

個人的な対案としては敗者復活組を絶対にトップバッターに据えて、必ず敗者復活組からスタートすることです。*6

 

・漫才師たちに花束を

今年、何度も劇場でお笑いを見に行って

「面白い芸人はまだまだ山のようにいる」と実感しました。

そんな面白い人たちの更に一握りが選別されてあの舞台に立つ

そしてそんなシビアな世界を戦い抜く

とんでもない仕事だな、と感じます。

なるほどキャリアの長い芸人が「賞レースから解放された」という表現を使う意味を感じ取れました。

もちろん流れや運、本人たちの実力を出せたか出せないか、というのもありますが多分私個人としては今まで見てきたM-1の中で一番暖かな気持ちとリスペクトのまなざしで全芸人を見ることになりそうです。

*1:恐らく山田氏自体が初仕事ということもあり様子見のつもりで気持ち低めに採点したのだと思います。ただ反響がありすぎて日和ったのか次以降の採点がほかの審査員と同じ基準になってしまったのはちょっと残念でした。幸か不幸か山田氏が満点だったとしてカベポスターは決勝進出はならなかったわけですが

*2:もちろん準決勝までの審査員が優秀であることが前提なので簡単に言えることではないのですけども

*3:とはいえダイヤモンドに限って言えば2022年を除けば準々決勝敗退が続いていたので、むしろ昨年が上振れしすぎたのかもしれませんが

*4:ひたすら「か!ら!あ!げ!」を連呼するネタ

*5:去年のさや香の1本目は芸術的で素晴らしかったですが、それでも『からあげ4』で大会ごとぶっ壊す世界線も見てみたかったです。

*6:一度負けているからこそ多少不利でも仕方ないというところもありますし、くじで誰がなるか分からないよりは公平ではないですかね?

Battle Face

こんにちは

 

先日、Jリーグ32節が行われ、私の応援しているチームは、この10年単位で極端に苦手にしているセレッソ大阪相手に2-0の完勝を収めました。

 

その試合の内容について詳しく触れる気はありませんが、本当に素晴らしい試合だったと思います。

可能性がある限り、戦う姿勢を取り続ける。

優勝するしないより、このチームの矜持、意地を見ました。

これこそ「戦う顔」なのでしょう。

 

そこまでは良かったのですが、1時間遅れでキックオフとなった首位ヴィッセル神戸と3位浦和レッズの試合の結果から広まった声にちょっと、いやかなりがっかりしています。

内容及び結果については今更いうことは無いでしょう。

また、その決勝弾がオフサイドなのではないか、と騒がれていることも今更語ろうとは思いません。

 

私が腹立たしく思っているのは、少なくない数のマリノスサポーターが、この判定について文句を垂れており、あまつさえ結果的に誤審で得をした形になったヴィッセル神戸に対して全く以て言わなくていいような強い言葉を吐いていたことです。

正直なところ、こういうことで第三者的にやいのやいのいうのも肴といえば肴ですが、自分たちに矢印が向いていないことが気になりました。

32節はあの超がつく難敵セレッソ大阪を下した試合、細かい内容はともかくとして、今シーズンベスト級のゲームだったと思います。

なぜセレッソ大阪に勝てたこと、チームが戦う顔を見せてくれたことよりも優先してよその誤審騒ぎに首を突っ込むのか。

それがどうしても理解できません。

 

そもそもからして、今シーズンは勝てた可能性が少なからずあった試合をいくばくか落としてきたのは事実です。

もっというと開幕前からの編成も完璧ではないし穴は多かったと思います。

夏の移籍市場もあまり動かず、選手層で苦しみました。

突発的な負傷者の続出で誰が試合に出られるのかもよく分からない時期もありました。

少なくとも現状優勝するためには他力に縋るしかないくらいに勝ち点を落としてきたのは100%、マリノスの落ち度なのです。

その状態で優勝するためには、優勝したいのなら他力に期待するしかないのかもしれません。

ですが他力なんぞはコントロールできる範囲にありません。

私たちファン・サポーターが出来ることは、「今のチーム」を応援することです。

 

優勝の可能性が薄れたことで気が抜けてしまうチームもある中で、相手問わず、怪我人問わずファイティングポーズを取っている今のマリノスを私は戦う集団として心から素晴らしいと思っています。

強要するわけじゃありませんが、他所の誤審騒ぎなんかよりもっとこのチームの戦う顔をサポーターは評価してほしいと心から思います。

少なくともそれがサポーターでありファミリーなんじゃないですかね?

 

「他所様のことに首を突っ込まずにお行儀よくいろ」とかそういうのはどうでもよくて、せっかくマリノスが素晴らしい姿勢を見せて戦っているのに、それを本気で追わずして、語らずしてどうする?と思います。

もったいないですよ。ほんとに。

私は今年のマリノスが優勝しようがしまいが「最後まで戦う顔をし続けたチーム」だとして頭に刻み込みますし、忘れることは無いでしょう。

 

 

 

あとがき

多くのチームのサポーターは納得しきれないところもあるでしょうが、審判の判定ミスというのはやはりどっかしらで釣り合うんですよね。*1

恩恵を受けた裏では損もする。

例えばマリノスも浦和との試合で角田選手がPA内で西川選手のパンチングを食らい、下顎骨折しましたが特にファール判定も何もなかったり*2、名古屋との試合でヤンマテウス選手がPA内で倒されたけどノーファール*3だったりと恩恵を受けてばかりではなく損失もあります。

 

まあまさかVAR導入してもミスだらけとは思いもよりませんでしたがね。

ただ、勘違いしてはいけないのが、「明確な判定」と「審判の裁量で変わる判定」の違いです。

ハンドなどは手の位置もそうですし、取る取らないは審判の裁量です。

PA内のファールを取る、取らないも割と審判の裁量が大きい印象はあります。

半面オフサイドなどは、先述のようなミスもありますが基本は事実のため主審およびVARの主観が入る余地は少ないです。*4

 

このあたりを一緒くたにして自分たちに不利な判定を「誤審」とみっともなく騒いでいると、いざ恩恵を受けたときに居心地が悪くなるし、吐いた唾を吞めなくなってしまいます。

こういう恩恵を受けたときに「俺たちは過去に損しているから」というのであれば損した時に黙っていないと釣り合わないんですよ。

また負傷に関しても同様で、自チームの選手が怪我させられた時は対象の選手を世紀の大悪党のように非難しておきながら、自チームの選手が他チームの選手を怪我させたときはダンマリな場合も同様です。*5

自分たちが損した時だけこの世の終わりのように喚き散らして、得したらダンマリはそりゃ道理が通りません。

もちろんそれがサポーターと言われたらそれまでですが。

とはいえ、某クラブのオーナーが判定で不利益を被ったときだけ大きな声を上げていたのは傍から見ても滑稽でしたね。

*1:ヴィッセル神戸は判定の損得トータルで見ても、齊藤未月選手の負傷を考えれば釣り合っていないですが

*2:同じ試合では浦和早川選手のオンサイドでのゴールをなぜか誤ってオフサイドにしたりもしていました。

*3:のちにジャッジリプレイでファールの可能性が高いとのコメント

*4:関与だったりするとまたややこしい

*5:ロイ・キーン級の悪質さや2023年の東京ヤクルトスワローズ級の頻度なら別ですが

プリンは栄養たっぷりん

こんにちは。

最近、一部のマリサポSNSがちょっと気になります。

 

個人攻撃というわけじゃないですけど、最近目に余る方たちが多くて「うーん」となってます。

いやね、私の周りにはいないんですよ。幸か不幸かそういう人たちをフォローしてないし。

ただ、回ってくるし嫌でも目に付くんですよね。

まあ別に自分に関係ないことだってことで黙ってても良かったですし、何ならそうすべきかなあとも思っていたのですが、「いや待てよ…?」となったのでちょっと書かせてもらいます。

 

■きっかけ

何でこれを書こうか、と思ったかきっかけですが、先日の11/7にACLのカヤイロイロFC戦が敵地のフィリピンでありました。

何人かのマリノスサポーターがフィリピンまで乗り込んで応援に駆けつけていました。

その時にとあるマリサポSNSユーザが「彼女とはぐれた」として自身のSNSに彼女の映像を添付して拡散していました。

確かにネットリテラシーの観点から見たときに「他人の映像をばらまく」というのは褒められたものではありませんし、まあ恐らく私なら軽めにキレます。

 

ただ、そのユーザが彼女の動画をSNSで出すといった行為に至った気持ちもわかります。

海外、しかも心から安心して過ごせるとはいいがたいフィリピンという土地で合流するはずの相手と合流出来なかった場合の心細さ、不安さは甘く見るべきではありません。

 

結果として彼女とはただの行き違いで何事もなかったので良かったね、ただネットリテラシーには気をつけようね。で終わる話だったはずでした。

私自身「アホだなあ…でもいざ海外となった時に準備しておかないといけないこともあるし、気を付けないといけないこともあるよね。」と勝手に教訓にして終わらせればよかったのです。

 

ここから先はリアルタイムで追っていたわけでも何でもなく、後追いでちょろっと見ていただけにすぎないので正確性に欠ける部分があるかもしれません。

 

何がきっかけか分かりませんが、当該の彼女の写真をさらした彼が、過去にマリノスサポーターを批判しているツイートがいくつか発掘されました。

誰が何きっかけで晒したのか分かりませんが、私が気づいたときには彼は晒されて炎上第二波目になってました。

ある程度人生を長く生きてきたであろう人たちが大上段から「ネットリテラシーがない」、「何も反省していない」だの大バッシングの嵐。

正直私が見たタイミングだと

・一部のマリサポからしこたまぶっ叩かれる彼

神対応で突き放す彼女

・そして一通り正義棒で彼をぶん殴って満足するマリサポたち

・そんなマリサポたちに違和感を覚える他のマリサポたち

で散らばっていました。

よくわからないは分からないのですが、まず真っ先に思ったことが

「いくら殴っても構わないサンドバックを手に入れた人間ってこんなに幸せそうなんだな」

ということです。

私もちょっと部屋にサンドバック置こうかな。

 

ちょっと考えが浅かっただけの人間に対して、「ネットリテラシーが低い」という武器と「同胞のマリサポを批判した」という武器で好きなだけ殴っているように見えました。

「あいつは悪だ。だからズタボロになるまで馬鹿にしてコケにして集団でいじめてやれ」って子供がやっても親や教師にぶっ飛ばされる発想だと思うんですけど、なんで大人がやってるんですかね?

色々拝見させていただきましたが、本人のためを思った注意などではなく、酒の肴にでもするかのような振る舞いにしか見えませんでした。

 

■自浄作用とは

このような感じの炎上を見たのはぶっちゃけ初めてじゃないです。

同じマリサポ界隈で何度か見たことがあります。

構図はほぼ同じで、たまに他サポが対象だったりもしますが、基本的には自分たちに不快感を与えたユーザを晒し上げて寄ってたかって馬鹿にしていますよね。

個人的に「こええな」と思うのは全く歯止めが効いてないことです。

だって何人もの人たちがそういった炎上まがいの事象を目にしているなら、普通何人かは「いやこんな内輪もめみたいなことばっかやっててええんか?」となりません?

「別に突っかからなくてよくない?」とか思いません?

「放っておいてやらない?」と諌めません?

せめて晒し上げる形じゃない方法でやり取りするとか、手があると思っています。

 

まず根本的なことをいうと、SNSはよほど度が過ぎた内容じゃなければ何を言おうが基本自由です。

頭の足りない他人を馬鹿にするくらい自由といわれたら自由です。

ただ、本気でチームの発展を願うのならばそうも言ってられない理由があるんです。

 

■コミュニティとして

ここはあくまで想像の世界です。

でも、言うほど頓珍漢な妄想じゃないと個人的には思っています。

 

マリノスにじさんじコラボや昨年のDeNAベイスターズとのコラボもあり、定期的に新規の方で気にかけてくださる方も増えてきたと思います。

間違いなく素晴らしいことです。

それ以外にも着実に新規を増やそうと努力をしているはずです。

そしてそんな努力によって、コミュニティに足を踏み入れようとしている新規のサポーター、ないしはサポーター候補がいます。

そんな彼ら彼女らが、SNS上で頭の足りない発信をしたユーザを嬉しそうに、楽しそうによってたかってからかうマリサポユーザを見てどう感じると思いますか?

少なくとも「楽しいコミュニティだ」と思ってくれないでしょう。

我々のような人種は、狭くて弱いコミュニティなだけに新規に優しく「楽しい場所」と思ってもらわないといけないしそのために動かないといけないはずです。

そんなことも分からないんですか?

何を考えているんですか?

自分の心地よさの為にクラブの努力を踏みにじるのは楽しいですか?

と正直思います。

 

■正しさを疑え

この辺の界隈のいがみ合い、基本的には「自分(たち)の意見が正しい」と強く固く思い込んでいるが故に、不必要な正義感が暴発して起きていることが多いのだと思います。

・同胞のマリサポを悪く言うなんて許せない

・フロントを悪く言うなんて許せない

・選手批判は許せない

・戦術批判は許せない

・スタッフ批判は許せない

・そもそものチーム批判は許せない

・幼くて年齢の割に馬鹿そうだからいじめて酒の肴にしたい

などなど…

見た感じこの辺の歪んだ正義感をこじらせて暴走しているなという風に見受けられます。

確かに例えば公式のアカウントに暴言まがいのコメントを残すユーザは私も不快に思います。

批判ですらなく誹謗中傷の域に達しているようなコメントを残す人は私も容認できません。

ですが、度が過ぎた暴言じゃなければそれぞれが意見であり正解不正解はありません。

なんなら度が過ぎた暴言だとしてもさっさと通報するなりブロックすれば良くて、晒し上げて寄ってたかって叩くのは自分たちが気持ち良くなりたいだけなんだろうなと思います。*1

 

■軽はずみな敵認定と仲間ごっこ

このあたりの騒動を見ていて思ったのは「雑なカテゴライズ」によって「敵」か「味方」かをすごく安易に分けているな、とそう感じます。

 

「自分たちにとって心地よい発言をした人間は味方」

「自分たちを不機嫌にするような発言をする人間は敵」

敵とみなしたらどれだけ強い言葉を浴びせても、どれだけ晒し上げても正義

「馬鹿にしてもいいと認識したら徹底的にオモチャにしてエンタメ化するべき」

 

怖いですね。

特に同じチームを応援しているという妙な連帯感から繰り出される敵味方認定、基本ぼっちの私にはわかりませんが恐らく甘い蜜の味なのでしょう。

その甘い蜜を享受するために、何人もの新規サポーター候補たちを離れさせることになるのか、という話にはなりますけどね。

別に心地よいコミュニティを作るなというつもりはありません。そういうの大事は大事です。

ただ、せめてそういうのは見えないところでやらないと、回り回ってクラブの首を絞めることになりかねない、というのは自覚してほしいですね。

徹頭徹尾新規目線ですが、そりゃ晒し上げ合いをしているコミュニティに飛び込む新規なんてそうそう居ませんよ。

NPBクラスだと話は別ですが、マイナー趣味の部類であるJリーグですよ?

殿様商売のスタンスじゃすぐ潰れますから。

クラブのためを思っている、ないしはファミリーの一員であると自負するのならそこは忘れないでもらいたいな。と個人的には思います。

 

■あとがき

今回は新規目線で話しましたし、論点もそこにしましたが、別に新規関係なく人間としてダサいことしてるっていう自覚ないのかな、というのはちょっと思っています。

別にダサいかダサくないかは主観ですし、本人の価値観なので強要する気はありませんが、俯瞰で見たときに死ぬほどダサいと思います。

少なくとも最初に書いた騒動で何人かのユーザに関して厳しい感情を抱きましたし、マリサポ界隈で難かしらの炎上が起こるたびに確実に何名かのユーザに不快感を抱きます。

個々の生き方にケチをつけるわけじゃないし、そんな権利私にはありませんが、中立で見ている人間にこの感想を抱かせているという事実だけ覚えて帰ってください。

*1:気持ちよくなりたいならちょっとお高めのヘッドマッサージに行くといいですよ。ほぼ間違いなく使った金以上の効果が出る。

ドラフト寸評 パ・リーグ

こんにちは。

先日の続きで今回はパ・リーグ編です。

かなり遅くなってしまい申し訳ございません。

 

オリックス・バファローズ

本指名
1位    横山 聖哉    内野手    上田西高
2位    河内 康介    投手    聖カタリナ学園
3位    東松 快征    投手    享栄高
4位    堀 柊那    捕手    報徳学園
5位    高島 泰都    投手    王子
6位    古田島 成龍    投手    日本通運
7位    権田 琉成    投手    TDK

育成指名
1位    寿賀 弘都    投手    英明高
2位    大江 海透    投手    北九州下関フェニックス
3位    宮國 凌空    投手    東邦高
4位    芦田 丈飛    投手    埼玉武蔵ヒートベアーズ
5位    河野 聡太    内野手    愛媛マンダリンパイレーツ

 

1位の横山選手は世代No1遊撃手であり、また野手としても可能性の高い選手です。

前回記事でも書きましたが、高校生遊撃手はどのように化けていくか分からないため、遊撃手としてよりも野手としての天井の高さ、伸びしろに期待を込めての指名なのだと思います。

今年の市場においては唯一無二性の高い指名だったため、驚きはありましたが面白い指名だと思います。

2位の河内投手も驚きました。

他に日當投手や結果的に連続指名となった東松投手、木村投手と比較して実績では劣っていたわけでそんな河内投手を2位という高評価で指名したのはオリックスからしてそれだけの伸びしろを感じたのでしょう。

3位にはもともと評価の高かった東松投手。

彼も評価の高い投手で、3巡目と考えるならかなりいい指名だったと思います。

4位には堀選手。地元にほど近い報徳学園の捕手で守備面ならトップクラスと絶賛されている印象でした。

一軍捕手は森選手、若月選手、石川選手と固まっていますが10歳離れた堀選手には将来の正捕手としての期待も込めつつ、いざとなったら他ポジションでというのは考えていると思います。

5位から7位はオリックスお得意の下位社会人枠で、ここからまた阿部投手や小木田投手のようなしびれる場面で投げるリリーバーが現れる可能性は決して低くないと思います。

育成1位の寿賀選手は投手と外野の二刀流で、果たしてどっちの道を進むのか非常に気になります。

 

総評

高校生を上から4人獲得するなど、余裕を見せつつ下位で着実に得意カテゴリの社会人即戦力投手を確保していて改めてこのチームのドラフトのうまさを感じました。

1位の横山選手単独指名は驚きましたが、野手のプロスペクト事情を踏まえればハラ落ちする指名かなとは思います。

現状3連覇で黄金期真っただ中のチームがどうなるか、もしかしたらかつてのソフトバンクのように若手の台頭が減っていってしまうのか、それともまだまだ栄華を極め続けるのかを注視したいと思います。

 

千葉ロッテマリーンズ

本指名
1位    上田 希由翔    内野手    明治大学
2位    大谷 輝龍    投手    富山GRNサンダーバーズ
3位    木村 優人    投手    霞ヶ浦
4位    早坂 響    投手    幕張総合高
5位    寺地 隆成    捕手    明徳義塾

育成指名
1位    武内 涼太    投手    星稜高
2位    松石 信八    投手    藤蔭高
3位    髙野 光海    外野手    富山GRNサンダーバーズ
4位    藤田 和樹    外野手    延岡学園
5位    富山 紘之進    捕手    会津北嶺高

 

近年の圧倒的くじ運が嘘かのようにくじを3度外してしまいましたが、くじを3度外しても上田選手が残っていたのでやはり今年は豊作だと言えるでしょう。

タイプ的には一塁か三塁、コンバートして両翼が想定されますが、内野手を見渡しても殻を破り切れない安田選手に停滞してしまった山口選手。

外野もベテランが多くなってきているため上田選手にはチャンスが数多く巡ってくるでしょう。

2位の大谷投手は驚きました。独立リーグからの2巡目指名は先述の椎葉投手、2013年の又吉投手以来となります。

実績や経験より投げている球の質をシンプルに評価したのだと思います。

3位木村投手は事前では外れ1位都の声もあった大型投手ですが3位まで残っていました。

これはかなり美味しい指名だったと思いますし、将来のエース候補を確保できたと言っていいでしょう。

4位の早坂投手は地元千葉の注目株でしたが、期待値は木村投手に負けず劣らずなだけに二人で切磋琢磨していってほしいと思います。

5位の寺地選手は高校年代では先述の鈴木選手(ヤクルト4位)、堀選手(オリックス4位)に次ぐ高卒捕手の期待株です。

捕手歴は長くなく、むしろ高2まで三塁でした。

2つ上の松川選手をある程度一軍で使う算段のもとで指名したのかな?とも思います。

育成に関しては申し訳ございませんが指名した各選手について私はあまり知らないためコメントを差し控えます。

 

総評

チームの弱点を認識した上位指名、そしてこれからのチームの未来を考えた下位指名とバランスが取れたドラフトになったと思います。

現有戦力に満足していない、上を目指すために必要なことを、必要な人材を求めていることが明確でよかったです。

ロッテとしては佐々木朗希投手がいるうちに優勝をしたいのか、運用の難しい佐々木投手が去った後に勝負をかけられるようにしたいのかは分かりませんが、どちらにしても納得のいくムーブと人選だと思います。

 

福岡ソフトバンクホークス

本指名
1位    前田 悠伍    投手    大阪桐蔭
2位    岩井 俊介    投手    名城大学
3位    廣瀨 隆太    内野手    慶應義塾大学
4位    村田 賢一    投手    明治大学
5位    澤柳 亮太郎    投手    ロキテクノ富山
6位    大山 凌    投手    東日本国際大学
7位    藤田 悠太郎    捕手    福岡大学附属大濠高

育成指名
1位    大泉 周也    外野手    福島レッドホープ
2位    宮里 優吾    投手    東京農業大学
3位    佐倉 俠史朗    内野手    九州国際大学付属高
4位    中澤 恒貴    内野手    八戸学院光星
5位    星野 恒太朗    投手    駒澤大学
6位    藤原 大翔    投手    飯塚高
7位    藤田 淳平    投手    徳島インディゴソックス
8位    長水 啓眞    投手    京都国際高

 

1位の前田投手は高校生No.1評価であり、球速こそ最速で148キロと現段階での出力が突き抜けているわけではありませんが、総合力の高さを考えると妥当な評価になりました。

近年のソフトバンクはドラフトで獲得した選手の戦力化に失敗し続けていますが、そもそもややギャンブル臭い指名が多かったのも事実なのでどちらかというと果てしない天井があるわけじゃないにせよ大きな失敗を想像しにくい前田投手がどうなるかは見ものです。

2位の岩井投手、そして4位の村田投手は両名とも尖った性能というよりは総合力の高い投手で、昨年ドラフト2位の大津投手に近いと感じます。

伸びしろ重視で獲得した選手を育てきれなかった反省なのでしょうか。

3位の廣瀬選手は大卒野手では上田選手に並んで評価の高い強打者でした。

同じ慶應柳町選手や正木選手、育成で佐藤投手もいるため馴染むのは早そうですね。

5位の澤柳投手は即戦力期待のリリーフ候補として、1年目からのフル稼働を期待されていそうですが、高い奪三振率をプロでも披露していきたいところです。

6位の大山投手も最速154キロを誇る高出力投手で、所属リーグでは無双していたものの、全国大会では四死球モ増えるなどこれからの伸びしろに期待がかかる素材型投手です。

7位の藤田選手は、現状の捕手メンバーにプラスでプロスペクトを加えたかったということでしょう。

甲斐選手、嶺井選手が30歳を過ぎ、海野選手もアラサーに突入、他の若手捕手は別ポジションで試されるなどこれからを考えると不安な陣容だけに手を打ったとみるべきでしょう。

育成3位の佐倉選手は、先述の小笠原選手などと同様にこの順位で取れるのが信じられないクラスの選手だと思います。

守る位置のない高校生スラッガーが扱いにくいのは事実ですが、清宮選手の当時7球団強豪を見ていただけに驚きを隠せない名が正直な感想でした。

 

総評

1位はくじを外してしまったとはいえ高校No,1かつ、来年からとはいかなくともかなり早い段階から戦力になれそうな前田投手、2位~5位までは1年目からの一軍定着を目指せる選手を集め、チーム力の増強を狙った意図が良く見えました。

昨年、一昨年ほど大量に育成選手を指名することがなくなったので、四軍制も一通り軌道に乗ってきたのかもしれませんね。

今までの伸びしろ重視過ぎる極端なドラフトの反省が見えて面白いと思いましたし、実際現状のチームに合った指名だと思います。

 

東北楽天ゴールデンイーグルス

本指名
1位    古謝 樹    投手    桐蔭横浜大学
2位    坂井 陽翔    投手    滝川第二
3位    日當 直喜    投手    東海大学菅生高
4位    ワォーターズ 璃海 ジュミル    内野手    日本ウェルネス沖縄高
5位    松田 啄磨    投手    大阪産業大学
6位    中島 大輔    外野手    青山学院大学
7位    大内 誠弥    投手    日本ウェルネス宮城高
8位    青野 拓海    内野手    氷見高

 

1位はくじを外しつつも有力左腕の一人である古謝投手を確保。

2度外したことを考えるなら決して悪い指名ではないでしょう。

2位の坂井投手、3位の日當投手はともに前評判の高かった大型高卒右腕で、相変わらずフィジカルに恵まれた選手を好む傾向にあるのを感じます。

4位のワォーターズ選手は所謂サプライズ枠ですが、俊足で身体能力オバケでありながらグラブさばきも柔らかく、横山選手や山田選手、百崎選手とはまた違ったベクトルの成長が期待されます。

5位の松田投手はこれまた長身瘦躯の右腕。大学生ではあるものの伸びしろ、天井を評価しての指名だと思われます。

6位の中島選手はこの順位まで残っていたことが驚きではありますが、俊足巧打の外野手で、キャプテンシーも高いです。

辰己選手や小郷選手といった上の先輩方にも負けない個性を発揮してもらいたいものです。

7位の大内投手は知名度こそ高くなかったもののこちらも素材型の高身長右腕で、8位の青野選手はこれまた大型の二刀流選手となります。

両者ともかなり素材に振り切っていて楽天らしさを感じます。

 

総評

伸びしろ、素材にかなり振ったドラフトでどうにも石井一久SDの意見が影響しているように見えました。

選手を見る目自体はかなりある方で、実際近年の楽天はドラフトで成果を出し続けていますが、そんな感じを見受けました。

特に右の高卒投手は揃って大型であり、これがこだわりなんだろうなと一瞬で察しました。

個人的には6位の中島選手を直前で取られて少し悔しかったです。

育成指名がないのは驚きでした。

 

西武ライオンズ

本指名
1位    武内 夏暉    投手    國學院大學
2位    上田 大河    投手    大阪商業大学
3位    杉山 遙希    投手    横浜高
4位    成田 晴風    投手    弘前工業高
5位    宮澤 太成    投手    徳島インディゴソックス
6位    村田 怜音    内野手    皇學館大学
7位    糸川 亮太    投手    ENEOS

育成指名
1位    シンクレア ジョセフ 孝ノ助    投手    徳島インディゴソックス
2位    谷口 朝陽    内野手    徳島インディゴソックス
3位    川下 将勲    投手    函館大学付属有斗高
4位    金子 功児    内野手    埼玉武蔵ヒートベアーズ
5位    木瀬 翔太    投手    北嵯峨高
6位    奥村 光一    外野手    群馬ダイヤモンドペガサス

 

1位に公言どおり武内投手を獲得したのは、2年前の隅田投手のどラフトを思い出します。

強力ながら、流出リスクがそう遠くないだけにここで武内投手を指名できたのは編成的にも助かると思います。

2位の上田投手も1年目からの稼働が期待できる投手で、着々と投手王国を築きそう(とはいえ抜けられそうですが)に見えます。

3位の杉山投手は驚きはありましたが高卒左腕投手としては前田投手や福田投手と並んで屈指の選手であることに疑いはありません。

4位の成田投手は大型の高卒右腕ですが、近年の西武の育成が投手に振り切っているので、平良投手や高橋投手、今井投手のようになれる可能性はあると思います。

5位の宮澤投手は独立リーグで155キロを投げる剛腕投手ですが、その裏は北海道大に在学中のインテリです。

インテリは得てして脳筋ゴリラ投手というセオリー通りで笑いました。

6位の村田選手はまさしくロマン砲と呼ぶに相応しい超大型スラッガーで、あのオリックス杉本選手を超える巨漢ではっきり言ってどうなるか全く想像すらつきません笑

ですが楽しみな素材であることは間違いないです。

7位糸川投手は大卒三年目、すでに解禁済みの右腕投手です。

1年目から活躍に期待したいところです。

育成1位のシンクレア投手ですが、一昔前ならこのクラスのスペックの投手だと1位指名すらあり得たんですね。それが育成とはいやはやレベルが上がったものだと痛感します。

 

総評

弱点の野手はあまり積極的に指名せず、投手をかき集めたのが印象的でした。

近い将来の流出を想定するなら確かに正しい判断だと思います。

ですが指名した投手、特に上位組は間違いなく素晴らしい素材が揃っていることは間違いありません。

 

北海道日本ハムファイターズ

本指名
1位    細野 晴希    投手    東洋大学
2位    進藤 勇也    捕手    上武大学
3位    宮崎 一樹    外野手    山梨学院大学
4位    明瀬 諒介    内野手    鹿児島城西
5位    星野 ひので    外野手    前橋工業

育成指名
1位    濵田 泰希    内野手    京都国際高
2位    平田 大樹    外野手    瀬田工業高
3位    加藤 大和    投手    帝京大学可児

 

1位の細野投手はコントロールこそ粗いものの、出力、ポテンシャルは今ドラフト最高の投手だと思っていますし、よく外れ外れまで残っていたなと。

育てばメジャー級の大器だけに楽しみです。

2位の進藤選手は個人的にはここまで残っていたかと驚きました。

最初の12人で消えてもおかしくないくらいには質の高い捕手だと思います。

明確な正捕手のいないチームなだけに彼もきっと使われるでしょうり

3位の宮崎選手は伸びしろ、ポテンシャルは特大でそれこそ万波選手や先達の陽岱鋼選手、もっというと新庄監督の現役時代のような走攻守三拍子揃ったスター候補です。

こういうポテンシャル系は失敗すると身体能力が高いだけの一般人になりかねないきらいはありますが、それでもリスクをかける価値は間違いなくあります。

4位の明瀬選手はこれまたこんな順位まで残っていたかと、驚きました。

高卒コーナー系スラッガーの人気が落ちているとしても打線の核になりうる強打者候補を4位で指名できるのは間違いなく美味しいです。

遠回りしつつも清宮選手や野村選手が一端の戦力として計算できるところまで来ているだけに彼の将来も楽しみです。

5位の星野選手は宮崎選手と同じ、ポテンシャルの高い外野手になります。

走攻守三拍子揃ったセンスが目立つ武田選手と比較すると、より打が魅力的な選手です。

 

総評

個人的にはかなり好きなドラフトで、特に本指名は最高です。

1位にはポテンシャルNo.1の細野投

2位はアマNo.1捕手の進藤選手

3位はアマNo,1外野手の宮﨑選手

4位は高校生No,1スラッガー級の明瀬選手*1

5位は高校生No,1外野手級の星野選手*2

能力の高い野手を集め、勝てるチームの礎を築いていく意図が見えます。

あとは流出が予想される投手をどうするか、見ていきたいと思います。

*1:佐々木選手が渡米表明、真鍋選手が順位縛りもありつつ漏れたことを考えると大砲型ならNo.1かもしれません

*2:武田選手は外野としてカウントすべきか投手としてカウントすべきかまだ不明瞭

ドラフト寸評 セ・リーグ

こんにちは

先日行われたドラフト会議について、それぞれの球団に対して書きたいなと思ったので更新します。

流石に12球団一気だと長くなりすぎるのでセパで分けています。

それでも結構長くなりました。また数日後にパも出します。

また各球団詳しいわけじゃないのでふわっとした意見もありますし、育成に関しては把握していない選手も多いため軽く触れるか触れないか程度になりますがご容赦ください。

阪神タイガース

本指名
1位下村 海翔 投手 青山学院大学
2位椎葉 剛 投手 徳島インディゴソックス
3位山田 脩也 内野手 仙台育英学園
4位百﨑 蒼生 内野手 東海大学付属熊本星翔
5位石黒 佑弥 投手 JR西日本
6位津田 淳哉 投手 大阪経済大学

育成指名
1位松原 快 投手 富山GRNサンダーバーズ
2位福島 圭音 外野手 白鴎大学

 

まずは下村投手の単独指名。身長を除けば懸念点のない実践型の右腕であり、各球団ハズレ1位の指名は考えていた中でうまくやったと思います。

阪神には似たような小柄な右腕として村上投手がエースとして君臨しているため、身長は懸念事項にならなかったものと思われます。

2位の椎葉投手は大変驚きました。独立リーグの投手がここまでの高評価なのは2013ドラフトの又吉克樹投手以来ですね。*1

最速159キロの威力満点のストレートを見せられると高掴みなどではなく実に良い指名だったと私は思います。

3位と4位で連続して高校生遊撃手を指名。

現状1軍は戦力が充足していますが、鳴尾浜を見渡したときにこれからという内野手は遠藤選手、戸井選手、髙寺選手くらいしかおらず、競争相手として2人取るのは自然ではないかと考えます。

また高校生遊撃手は別ポジションも含めどこで大成するかもわからないため、集め過ぎということはないと思っています。

5位の石黒投手は先発、リリーフどちらで育てていくのかまだ分かりませんが比較的三振を多く奪えて四球もそんなに出さないタイプなため、阪神の育成と噛み合えばとてつもない成績を残すことは十分考えられます。

高卒4年目で年齢としては大卒と同い年になりますので即戦力期待というよりは、2年後3年後の一軍戦力として見られているのだと思います。

6位の津田投手は地元大阪の好投手。こちらも石黒投手と同様に先発、リリーフ両方の可能性を探っていくことになると思います。

近年の阪神はこの順位の大社投手を高確率で戦力にしているため、津田投手も十分そのラインに乗っかれると思います。

育成2位の福島選手はシンプルに超俊足外野手です。

近本選手クラスまでいくかはともかく、現存の一軍サブ外野を狙いに行けるだけの力は十分にあります。

こういった尖った選手を確実に駒に加えられる阪神の強さを改めて感じる指名です。

 

総評

初手の下村投手単独指名から始まり、戦略で他球団と差をつけていることをまざまざと見せつけるようなそんなドラフトでした。

喫緊の課題がないからこそ、先を見据えたドラフトが出来る強さを見せられました。

強いて言うなら梅野選手、坂本選手が30歳を過ぎてくる中で捕手指名がなかったのは少し意外でしたが、ドラフトで半端な補充をする必要もないという判断だったのかもしれません。

 

広島東洋カープ

本指名
1位    常廣 羽也斗    投手    青山学院大学
2位    高 太一    投手    大阪商業大学
3位    滝田 一希    投手    星槎道都大学
4位    仲田 侑仁    内野手    沖縄尚学
5位    赤塚 健利    投手    中京学院大学

育成指名
1位    杉田 健    投手    日本大学国際関係学部
2位    佐藤 啓介    内野手    静岡大学
3位    杉原 望来    投手    京都国際高

 

まずは公言した常廣投手を抽選で引き当てることができたのは良かったと思います。

阪神が指名した下村投手と2枚看板であり、前評判はずっと高かった投手であり、森下投手や床田投手らと盤石の先発陣を作り上げることができれば来年もカープは強いでしょう。

2位の高投手は外れ一位候補でも名前が挙がっていましたがカープの2位まで残るとは思いませんでした。

少し制球にバラつきがありますが、馬力がありますし、矢崎投手を戦力化するなど制球に苦しんでいる投手に対しても向き合うことができるカープなら大きく育てられるのではないかと考えます。

3位の滝田投手も同様で、将来的には勝ちパターンないしは先発でフル回転している姿が目に浮かびます。

投手王国を作り覇権を狙う、そんな目論見が見て取れます。

4位の仲田選手は長打力自慢の一塁手ですが、真鍋慧選手のような注目株を抑えての4位指名ということで相当な期待がうかがえます。

実際ほかの候補で言えば後述しますが小笠原蒼選手が育成3位、佐倉侠史朗選手も育成3位と守備位置が限られる高校生の大砲タイプは未来予想図が描きにくく、打てないと使われないし中途半端だと外国人やコンバート組にとって代わられるだけに難しい位置ではあります。

そんなポジションの選手を4位で指名したということで大砲不足に悩まされているカープにとっては大きく育てたいことでしょう。

5位の赤塚投手は今年苦戦していますが、その前までは好成績だったためカープとしては良かったころの評価を踏まえての指名になったのではないかと思います。

こういったタイプの投手はうまくいけば大化けして主戦になってくれることもありますし、順位を考えればローリスクハイリターンの賭けといえるでしょう。

育成に関しては申し訳ございませんがカープの指名した3選手について私はあまり知らないためコメントを差し控えます。

 

総評

しっかりとくじを当て、その後も投手整備にリソースを割く意図が見えたドラフトでした。

打線の長打力不足は気になりますが。そこを新人に託すのも難しい話ですし、将来を見据えてという意味なら仲田選手を確保できています。

喫緊では外国人を探しつつ二軍で育てるというプランが明確に見えてよかったと思います。

 

横浜DeNAベイスターズ

本指名
1位    度会 隆輝    外野手    ENEOS
2位    松本 凌人    投手    名城大学
3位    武田 陸玖    投手    山形中央
4位    石上 泰輝    内野手    東洋大学
5位    石田 裕太郎    投手    中央大学
6位    井上 絢登    外野手    徳島インディゴソックス

育成指名
1位    高見澤 郁魅    内野手    敦賀気比
2位    清水 麻成    投手    樹徳高
3位    小笠原 蒼    内野手    京都翔英
4位    庄司 陽斗    投手    青森大学
5位    近藤 大雅    捕手    専修大学北上高

 

1位の度会選手、かなり意外でした。

複数人の先発投手の去就が不透明であることから、大学生投手に行くのかと思っていましたが、慢性的に抱える打力不足、野手の質不足を課題に思っていたということでしょう。

そんな中でナンバーワン外野手の度会選手に入札。見事くじを引き当てることとなりました。

大きいのを打てるアーチストというよりはミートに長けた中距離打者といった感じで、感覚的には広島西川龍馬選手ないしはオリックス中川圭太選手が近いのかな?なんて思っています。

一部では守備が悪くなくて足が速い佐野選手ともいわれていますが、もしそうなら1位の枠を使う価値は十二分にありますしそうであってほしいと切に願います。

2位の松本投手は剛腕サイドということですが、DeNAは平良投手、深沢投手とサイドハンドの先発ローテ候補がいるため、リリーフではなく案外先発で期待されているかもしれません。

ただ、上記2人のように精密な制球はなくパワーピッチ気味のため、どう育てていくのかしっかり見ていこうと思います。

3位の武田選手、こちらは私の一押しです。二刀流ということですが実際どっちを本格的にやるのでしょう。どっちでも一級品の素材だと思います。

一流のセンターにも一流の左投手にもなりえる素材でかなり面白いと思います。

センターとしてなら塩見選手や長打のある岡林選手になりえると思っているのでセンターで見たいですが、まずは二刀流でやっていくのを楽しみに見ます。

4位の石上選手は東都の内野手ですが、数は揃いつつあれど決め手に欠ける遊撃争い、また三塁の守備固めなども候補がいるようであまりいないため案外早くから一軍で使われても不思議はないと思います。

5位石田投手は2年前に素晴らしい成績を残したものの今はやや不調気味というところで、よかったころを評価しての指名になると思います。これが当たれば大きな戦力になるでしょう。

6位井上選手も良い指名だと思います。長打とスピードを兼ね備えた外野手ということですが、チームの弱点をしっかり把握しているからこそ成せる指名だと思います。

育成3位の小笠原選手は高校生大砲として注目を集めていましたがこんな順位で取れるのは正直予想外でした。近年のアスリート型選手の人気を感じましたが、大きく育てば打線の核を担えると期待しています。

 

総評

予想外の指名でしたがくじを当て、2巡目以降も大きくぶれることなく指名してきたと思います。

チームの弱点が野手にあること、走攻守トータルでの貢献度が高い野手が極めて少ないこと、特に外野の質、量ともに穴だらけなことを見切ったような指名でチームとして弱点を分かっていてそれに対して手を打ちに来たことはいいことだと感じました。

狙い、覚悟の見えるドラフトだったと思います。

 

読売ジャイアンツ

本指名
1位    西舘 勇陽    投手    中央大学
2位    森田 駿哉    投手    Honda鈴鹿
3位    佐々木 俊輔    外野手    日立製作所
4位    泉口 友汰    内野手    NTT西日本
5位    又木 鉄平    投手    日本生命

育成指名
1位    三浦 克也    投手    東京国際大学
2位    村山 源    内野手    鹿屋中央
3位    宇都宮 葵星    内野手    愛媛マンダリンパイレーツ
4位    田上 優弥    内野手    日本大学藤沢高
5位    園田 純規    投手    福岡工業大学附属城東高
6位    千葉 隆広    投手    旭川明成
7位    平山 功太    外野手    千葉スカイセイラーズ

 

1位の西舘投手も目玉の一人でしたが、見事くじを引き当てることとなりました。

今の巨人の投手事情を考慮すれば先発、リリーフどちらにおいても間違いはないのかなと思います。

ただ、菅野選手の衰えを考慮するなら先発候補と考え。育てていくのがいいのではないかとは感じます。

2位の森田投手は来年28歳になるオールドルーキーですが、この順位での指名は意外でした。

ですが、遅咲きながら素晴らしい活躍を見せており、1年目からの飛躍に期待したいです。

故障歴を考慮すれば先発で使っていくことになるのかな、と思いますが1年目から勝負をかけていってほしいと思います。

3位の佐々木選手は1年目から活躍を期待できる1番センター候補です。

巨人としては浅野選手にかけている期待は大きいと思いますが、とはいえ来年浅野選手が大活躍すると見込むのはあまりに甘いですし、丸選手の衰えで中々センターを無難に守れる選手がいなかったため、いい判断だと思います。

4位の泉口選手は少し意外でした。今年門脇選手がブレイクして、ポスト坂本問題がひとまず落ち着いたという認識ですし、そうなると巨人に必要なのは二遊間タイプならむしろ高校生かな?と思っていたので門脇選手より1つ年上の泉口選手のチョイスは驚きました。

とはいえ門脇選手をそのままレギュラーとしてアテにするにはまだ早く、増田陸選手や中山選手などなかなか目が出切らない選手たちのことを考えるとここで泉口選手を獲得することでリスクヘッジも兼ねているのでしょう。

5位の又木投手もこれまた1年目からの活躍が期待される左腕投手です。

不安定なリリーフ陣強化という明確な意図がこもっているように見えます。

育成に関しては申し訳ございませんが指名した各選手について私はあまり知らないためコメントを差し控えます。

 

総評

人によって好き嫌い分かれそうですが、私は大好きな指名です。

夢、ロマンではなく地に足をつけて着実に足りないところ薄いところをカバーしていった印象で、阿部新監督を1年目からバックアップするという明確な意図が見えました。

今の、特に主力以外の一軍メンバーたちを煽るという意味でもとても分かりやすくていいなと感じました。

 

 

東京ヤクルトスワローズ

本指名
1位    西舘 昂汰    投手    専修大学
2位    松本 健吾    投手    トヨタ自動車
3位    石原 勇輝    投手    明治大学
4位    鈴木 叶    捕手    常葉大学附属菊川高
5位    伊藤 琉偉    内野手    新潟アルビレックスBC

育成指名
1位    髙橋 翔聖    投手    鶯歌工商高
2位    髙野 颯太    内野手    三刀屋

 

1位の武内投手をくじで外したものの、次の指名で西舘昂投手を単独で指名。

他の外れ1位が前田投手、草加投手で競合していることを考えればうまくやったと言えます。

明確なことは言えませんが。主戦投手が長持ちしない傾向にあるヤクルトだからこそ、「大きな故障歴がない」西舘昂投手が優先されたのかもしれません。

また、マウンドの関係でフォークPが苦しみがちな神宮ですが。西舘投手の主な持ち球はスライダー・カット・カーブ・チェンジであるため問題なさそうです。

2位の松本投手は大卒社会人で1年目からの稼働が期待される投手の一人です。

近年のヤクルトは吉村投手が苦しんだり、山下投手が投げられなかったりと上位指名組が苦戦中のため西舘昂投手と二人でその風穴を開けていくくらいの活躍を期待したいです。

3位には石原投手。あまりバリバリ投げてきた投手というわけではありませんが、その分肩肘の使い減りは少ないと思います。

今秋は制球面で大幅な進歩を見せ、与四球率で大幅な改善を見せているので早く活躍しそうにも見えます。

4位の鈴木選手は強肩が魅力の高校生捕手となります。

内山選手が望外に早く台頭して一軍戦力になっていることやチームの年代、内山選手のポジション(外野をやる可能性も)を考慮すると、確かに高卒捕手は必要だったと思いますが、ここで堀選手じゃなくて鈴木選手なのは面白い選択だと思います。

野手として魅力的な堀選手ではなく、捕手としての将来像が見えやすい鈴木選手ということなのでしょう。

5位の伊藤選手は守備が魅力の遊撃手ですが、ヤクルトは今長岡選手がレギュラーとして活躍していますが打撃でかなり苦しんでおり、ほかの候補選手も決め手に欠く状態のため、ライバルとして獲得したと考えられます。

二塁や外野も守れるというところで色々な将来像が考えられる楽しみな素材です。

育成2位の 髙野選手はスイングスピードの速い右打者ということで、ヤクルトでスイングスピードの速い右打者というとどうしても山田哲人選手が思い浮かぶわけですが、球場バフも込みで優秀な選手に仕上げてきそうだなと感じます。

 

総評

弱点の投手を補強しつつ、野手は素材型を当て込んであとは自前の育成力で仕上げるというスタンスが伝わるドラフトでした。

とにかく投げられる投手をちゃんと揃えたい、揃えないと厳しい、そういった現場の声がきこえてくるようなドラフトでした。

巨人ほど現実に振り切ってはいませんが、ヤクルトも中々現実的なドラフトで個人的には好きです。

 

中日ドラゴンズ

本指名
1位    草加 勝    投手    亜細亜大学
2位    津田 啓史    内野手    三菱重工East
3位    辻本 倫太郎    内野手    仙台大学
4位    福田 幸之介    投手    履正社
5位    土生 翔太    投手    茨城アストロプラネッツ
6位    加藤 竜馬    投手    東邦ガス

育成指名
1位    日渡 騰輝    捕手    茨城アストロプラネッツ
2位    菊田 翔友    投手    愛媛マンダリンパイレーツ
3位    尾田 剛樹    外野手    栃木ゴールデンブレーブス
4位    川上 理偉    外野手    大分B‐リングス

 

1位入札は度会選手でしたが、3球団競合の末獲得ならず。

そこで外れ1位として草加投手に入札。ロッテとの競合を制して獲得となりました。

制球が良く、安定した投球が持ち味の草加投手は広いバンテリンドームとの相性は抜群でしょう。

勝敗は置いといて、柳投手のようになっていけるだけの素材だと思います。

2位では津田選手、3位で辻本選手と続けて二遊間の選手を指名して、ファンをざわつかせました。

確かに前年のドラフトで2位村松選手、5位濱選手*2、6位田中選手、7位福永選手と4人獲得したうえで、他にもカリステ選手、龍空選手がいる中でまた2人取るのかと思う人がいるのはわかります。

私も驚きはしました。

ですが津田選手は体格も良くコーナーや外野を守りつつ打撃でアピールするような将来像もあるタイプの選手ですし、辻本選手は世代最高峰の守備力を誇っており、レギュラーになれずとも守備固めやUTとしての機能もあり得そうな人材だけに、考えれば考えるほどそこまで悪くない指名に思えます。*3

4位には履正社のエース福田投手を指名。まだまだ身体が出来上がっているわけではありませんが、素晴らしい素材です。

願わくば二軍でじっくり育ってエース候補になっていってほしいですし、そうなれるだけのものは持っていると思います。

5位の土生投手、6位の加藤投手ともに荒削りでまだまだこれからながら伸びしろの大きなタイプを連続で指名。

今年かなり苦しく火の車状態だった二軍においてしっかり投げさせて経験を積ませたいという球団の意欲を感じました。

育成に関しては申し訳ございませんが指名した各選手について私はあまり知らないためコメントを差し控えます。

 

総評

巷で言われているような酷いドラフトかといわれるとそうは思いませんでした。

1年目から稼働できそうな即戦力投手、高卒の期待株投手、荒削りながら二軍でしっかり投げて鍛えられそうな投手×2とバランスのいい指名だったと思います。

願わくばもう1人くらい投手を確保しても良かったとは思いますが戦力増強手段はドラフトだけじゃないということで何かしら動くつもりではないかと考えました。

野手は野手でプロスペクトもいるため、変に数を集めるよりまずは今いる選手たちと向き合っていこうということでしょう。

 

 

 

パ編へ続く…

*1:あとは別途記事にするロッテの大谷輝龍投手も

*2:外野転向報道あり

*3:もっと言うと、田中選手は持病でフル稼働は厳しそうですし、福永選手は年齢的に二遊間として機能できる年数は短そう、カリステ選手は高齢の外国人ですし、溝脇選手はいつ退団してもおかしくない状態と考えると、実際長い目で見てこれからの二遊間を託す候補は龍空選手と村松選手くらいなんですよね。

2023年マリノスの評価、戦術、編成は?調べてみました。

よくわかりませんでした。

 

いかがでしたか?

 

 

というわけで茶番はここまでにして本題に早速入ります。

 

 

まず2023年マリノスの残した結果から見ていきましょうか。

リーグ:29試合勝ち点54得失点差+16 2位(残り5試合)

天皇杯:3回戦敗退

ルヴァン杯:準決勝敗退

ACL:1勝1敗(GL途中)

 

まだ途中は途中なのでここで総括するのもどうなのかなあ

と思う反面、成績の数字が多少変わるくらいで私の中での考えが変わるわけでもないので、そこはあまり気にしないことにしました。

 

●2023マリノスの評価

大前提として、求められている水準には内容結果ともに辿りついていないのが現状です。

そんな中でエクスキューズがいくつかあるのも事実です。

・高丘選手の移籍が遅くなってしまい、GKの編成で後手を踏んだこと

・小池龍太選手がほぼ1年不在となってしまったこと

・成長したはずの角田選手が負傷で長期間いなかったこと

などなど

ここから先はそこは十分把握したうえでの私の感想です。

今までやってこなかったことをやろうとしました。

向き合うのを避けてきたことと向き合おうとしたけどそのうえでどうすれば良くなるかその手札を持ってなかったがゆえにありとあらゆるものが中途半端になってしまった、そんな印象です。

 

ちなみに何度も出てくるので「課題」とは何か、向き合って解決しようとしている物は何かを私なりに解釈したものを書きます。

課題:引かれたとき、相手が食いついてこない場合に前進する術が個人スキル以外にない。

解決したいもの:引かれた時の解。選手個々のスキルアップ個人戦術の向上。

 

後述する選手層と質の問題でこれまでのスタイルに立ち返りたくても立ち返れなかったがゆえに手探りのまま道なき道*1を進んだ結果えげつないところで迷子になっている。そんなところです。

 

■2023マリノスの編成

編成というのは勝てば肯定、負ければ否定されるものではありますが、今年のマリノスの編成は中々に厳しいものがありました。

どれくらい厳しいかというと麦チョコとスパークリングワインをおかずに白ご飯を食べるくらいには難しいと感じました。(何の話や)

大前提として実力のある選手をサブ扱いで保持し続けるのは難しいとは思っています。

ですが、そうだとしても最初から「これで過密日程を乗り切るのは大変そうだ」と感じたのは事実ですし、少なくとも今の状態があるから後付けで言っている人は限りなく少なくて、初手から「これ流石に質量ともに足りてないのでは」と懸念していた方が多かったと思います。

そのうえで夏に藤田選手とマルコス選手の離脱、変わりに入ったのが加藤選手とナムテヒ選手。

どうしても苦しいと言わざるを得ないです。*2

また、ある程度今保有している若い選手たちにチャンスを与えたい、という意図が見え隠れしているそんな編成でもありました。

これまでのマリノスは層が厚すぎて特に若い選手が出る機会が少なかったですが、そういう意味では中々期待通りに成長を見せてくれた選手がいなかったのはあるでしょう。*3

出番の限られていた実力者たちを手放し、若い選手たちのブレイクスルーに賭けたけど、若い選手たちが跳ねなかったとそんな評価が妥当かと思います。

もちろん過密日程が分かっている中でそんな綱渡りもいいとこな編成をするべきなのかというのは至極その通りとしか言いようのない意見ですし、私もそれは確かにその通りだとは思います。

あとは金銭面の話にもなってくるのですがそこまでいくと分からないことが多すぎるのでちょっと割愛させてください。

 

■ケビン・マスカット監督の評価

私は「ポステコグルーの頃はよかったのにマスカットが台無しにした」という物言いには真っ向から反論します。

このチームが向き合っている、そして解決しなければならない問題点は2018年から何一つ変わっていません。

ポステコグルーはその課題を解決しないまま(できないまま?)渡英しました。

マスカットは2021年に引き継いだチームを大きく壊さないようにとりあえずシーズンをやり過ごしました。

2022年は序盤の過密日程や期待外れのパフォーマンスで試合を壊し続ける選手と向き合いながら、徐々に使える選手を増やしていってリーグ制覇を果たしました。

そして今年、マスカットは「戦い方を変えないとじり貧になる」と判断して、今の戦い方を選択しています。

ここに関して簡潔に言うと

・課題を課題と認識して、対応しようと試みたことは間違いなく評価されるべきこと

です。

そのうえで現状のチームを見ると

・やろうとしたことに対して、具体的な方策を持っていないから課題が課題のままでチームが混乱してしまった。

と私は見ています。

そういう意味ではマスカットを「無能」とバッサリ切る気にはあまりなれないのですが、それでも「これ以上手札もなさそうだし今期限りで袂を分かつのがお互いにとってベスト」とは感じます。

 

■総括

今までは選手質、選手層に甘えて向き合ってこなかったことについて向き合ったことで様々な不具合が炙り出されたことは改めて興味深かったですし、前任者みたいに課題と本格的に向き合わないまま体よく契約期間をやり過ごす選択肢もあった中であえてやってくれたことは決して悪いことじゃなかったと感じます。

ですが、反面マスカット監督とコーチ陣にはそもそもの課題を解決するための指導能力がなかったということは言えます。

あとは選手の質も、単純に若手云々より優勝を狙うと考えたときにどうしても厳しいレベルの選手がそれなりの数いるため、用兵にデバフをかけていたのも事実です。

無茶苦茶厳しい言い方をすれば、「薄い選手層とヘボい選手たちを率いて出来もしないサッカーに無謀に挑戦した結果何も得られなかった」となるけど、そこまではちょっと言えないです

ただチームにとって一石を投じることになるシーズンだったことだけは間違いないので、せめてこれを糧にして変わっていってほしいと私はそれだけを切に願います。

 

*1:というかちゃんとやれば道はあるけど地図も羅針盤のコンパスも持ってない首脳陣だった

*2:加藤選手は負傷した小池裕太選手に代わる補強かつ、年齢的には将来性を見込んだ先行投資であるため、実質の即戦力補強はナムテヒ選手のみでしたが、マルコス選手の退団を考えると補強とまではいかず補充にとどまってしまっていると感じます。

*3:昨年からモノの違いを見せていた山根選手くらいしか伸びたと言える若手はいないと感じています。

平成以降のアへ単ランキング

こんにちは

 

プロ野球ペナントレースも大詰めです。

またペナントの行方と同じくらい気になるのは個人タイトル

今年も頓宮選手のような意外なダークホースが台頭したり、近藤選手がもしかして三冠王!?といった成績を残すなど話題は絶えません。

そんな中であえて「平成以降でもっともアへ単な選手はだれか」というのが気になって仕方なくなりました。

 

まずアへ単とは「アヘアへ単打マン」の略。

詳細は下記のリンクに記載していますが、要するに

単打は打つため見かけの打率は高いけど出塁率も目立って高くはないし長打も殆どない」選手のことです。

ちなみに走れる選手や守備のうまい選手をアへ単というか言わないかという議論もたまになされます。

wikiwiki.jp

 

そんな打率特化のアへ単、平成以降だと何年の誰が一番アへ単なのかを調べてみたいと思いました。

 

■前提条件

まず「アへ単」という以上、ある程度打率がないとお話にならないので

「規定3割」

を前提としたいと思います。

 

■評価基準

当該打者の打率およびOPS*1を見比べます。

その後、OPS-打率×2をして出た数字が低ければ低いほどよりアへ単であるとします。

 

■平成以降のアへ単ランキング

●第5位

2014年 大島洋平選手

打率.318

OPS.735

ポイント99

今期2000本安打に到達した生けるレジェンドがランクイン。

単打の多い1番打者タイプであること、積極的に振っていくので四球が少ないことでOPSは毎年低めに落ち着きがちです。

ですが、卓越したミート力、安定した走力と守備力、怪我をしない頑丈さはまさにプロの鑑といえる選手です。

 

●第4位

2008年

宮本慎也選手

打率.308

OPS.709

ポイント93
日の丸を何度も背負った内野守備の名手。

この年の途中より遊撃手から三塁手にコンバートされました。

いわゆる派手な守備ではなく、堅実で的確な守備を誇る日本人らしいタイプの選手でした。

犠打も多く四球を選ぶタイプではなかったためこの人もOPSとしては低く出ました。

 

●第3位

2011年

宮本慎也選手

打率.302

OPS.687

ポイント83

なんと同一人物が続けてランクイン。

とはいえこの年は所謂違反球と呼ばれる、殊更に飛ばないボールを使用していたため、長打が下がる分に関してはやむなしだったとも言えます。

余談ですが2004年は超飛ぶ球を使っていて、通算7557打数で62本塁打だった宮本選手が、たった346打数で11本塁打を放つ異常なシーズンでした。

 

●第2位

2007年

大村直之選手

打率.318

OPS.713

ポイント77

かつてのいてまえ打線のトップバッターがランクイン。

かなりの早打ちで四球を選ばないタイプの打者で、なおかつ全盛期ほど長打が出なくなっているためこの数字になりました。

相手投手の一番良い球を狙うが身上で初球から振りにいっていた反面、時には初球凡退も散見された思い出があります。

このシーズンはなんと四球9に対して死球10という超レアな記録をたたき出しました。

 

●第1位

2008年

東出輝裕選手

打率.310

OPS.678

ポイント58

うすうす気づいておられた方もいるかもしれませんが、平成以降のナンバーワンアへ単は東出氏です。

かなり狭いと言われていた旧広島市民球場を本拠地としながら堂々の本塁打0でこの数字、美しさすら覚えます。

とはいえ二塁守備も決して悪いものではなく、時代を考えれば十分チームに貢献したと言っていいと思います。

 

■総評

今回ランクインした選手たち、またそれ以外に候補に上った選手たちに共通しているのが

・センターライン

・足が使える、もしくは使えた

選手たちです。

打撃で強くアピールする立ち位置の選手は当然ですが3割も打てば必然的に長打も増えてランクインしないですし、そうじゃないなら規定打席乗るまで使われないという話ですね。

しかし今の打低環境を見せられると、アへ単だろうがなんだろうが.3割打てたら全然ええやんと思っています。