こんにちは
先日行われたドラフト会議について、それぞれの球団に対して書きたいなと思ったので更新します。
流石に12球団一気だと長くなりすぎるのでセパで分けています。
それでも結構長くなりました。また数日後にパも出します。
また各球団詳しいわけじゃないのでふわっとした意見もありますし、育成に関しては把握していない選手も多いため軽く触れるか触れないか程度になりますがご容赦ください。
阪神タイガース
本指名
1位下村 海翔 投手 青山学院大学
2位椎葉 剛 投手 徳島インディゴソックス
3位山田 脩也 内野手 仙台育英学園高
4位百﨑 蒼生 内野手 東海大学付属熊本星翔高
5位石黒 佑弥 投手 JR西日本
6位津田 淳哉 投手 大阪経済大学
育成指名
1位松原 快 投手 富山GRNサンダーバーズ
2位福島 圭音 外野手 白鴎大学
まずは下村投手の単独指名。身長を除けば懸念点のない実践型の右腕であり、各球団ハズレ1位の指名は考えていた中でうまくやったと思います。
阪神には似たような小柄な右腕として村上投手がエースとして君臨しているため、身長は懸念事項にならなかったものと思われます。
2位の椎葉投手は大変驚きました。独立リーグの投手がここまでの高評価なのは2013ドラフトの又吉克樹投手以来ですね。*1
最速159キロの威力満点のストレートを見せられると高掴みなどではなく実に良い指名だったと私は思います。
3位と4位で連続して高校生遊撃手を指名。
現状1軍は戦力が充足していますが、鳴尾浜を見渡したときにこれからという内野手は遠藤選手、戸井選手、髙寺選手くらいしかおらず、競争相手として2人取るのは自然ではないかと考えます。
また高校生遊撃手は別ポジションも含めどこで大成するかもわからないため、集め過ぎということはないと思っています。
5位の石黒投手は先発、リリーフどちらで育てていくのかまだ分かりませんが比較的三振を多く奪えて四球もそんなに出さないタイプなため、阪神の育成と噛み合えばとてつもない成績を残すことは十分考えられます。
高卒4年目で年齢としては大卒と同い年になりますので即戦力期待というよりは、2年後3年後の一軍戦力として見られているのだと思います。
6位の津田投手は地元大阪の好投手。こちらも石黒投手と同様に先発、リリーフ両方の可能性を探っていくことになると思います。
近年の阪神はこの順位の大社投手を高確率で戦力にしているため、津田投手も十分そのラインに乗っかれると思います。
育成2位の福島選手はシンプルに超俊足外野手です。
近本選手クラスまでいくかはともかく、現存の一軍サブ外野を狙いに行けるだけの力は十分にあります。
こういった尖った選手を確実に駒に加えられる阪神の強さを改めて感じる指名です。
総評
初手の下村投手単独指名から始まり、戦略で他球団と差をつけていることをまざまざと見せつけるようなそんなドラフトでした。
喫緊の課題がないからこそ、先を見据えたドラフトが出来る強さを見せられました。
強いて言うなら梅野選手、坂本選手が30歳を過ぎてくる中で捕手指名がなかったのは少し意外でしたが、ドラフトで半端な補充をする必要もないという判断だったのかもしれません。
広島東洋カープ
本指名
1位 常廣 羽也斗 投手 青山学院大学
2位 高 太一 投手 大阪商業大学
3位 滝田 一希 投手 星槎道都大学
4位 仲田 侑仁 内野手 沖縄尚学高
5位 赤塚 健利 投手 中京学院大学
育成指名
1位 杉田 健 投手 日本大学国際関係学部
2位 佐藤 啓介 内野手 静岡大学
3位 杉原 望来 投手 京都国際高
まずは公言した常廣投手を抽選で引き当てることができたのは良かったと思います。
阪神が指名した下村投手と2枚看板であり、前評判はずっと高かった投手であり、森下投手や床田投手らと盤石の先発陣を作り上げることができれば来年もカープは強いでしょう。
2位の高投手は外れ一位候補でも名前が挙がっていましたがカープの2位まで残るとは思いませんでした。
少し制球にバラつきがありますが、馬力がありますし、矢崎投手を戦力化するなど制球に苦しんでいる投手に対しても向き合うことができるカープなら大きく育てられるのではないかと考えます。
3位の滝田投手も同様で、将来的には勝ちパターンないしは先発でフル回転している姿が目に浮かびます。
投手王国を作り覇権を狙う、そんな目論見が見て取れます。
4位の仲田選手は長打力自慢の一塁手ですが、真鍋慧選手のような注目株を抑えての4位指名ということで相当な期待がうかがえます。
実際ほかの候補で言えば後述しますが小笠原蒼選手が育成3位、佐倉侠史朗選手も育成3位と守備位置が限られる高校生の大砲タイプは未来予想図が描きにくく、打てないと使われないし中途半端だと外国人やコンバート組にとって代わられるだけに難しい位置ではあります。
そんなポジションの選手を4位で指名したということで大砲不足に悩まされているカープにとっては大きく育てたいことでしょう。
5位の赤塚投手は今年苦戦していますが、その前までは好成績だったためカープとしては良かったころの評価を踏まえての指名になったのではないかと思います。
こういったタイプの投手はうまくいけば大化けして主戦になってくれることもありますし、順位を考えればローリスクハイリターンの賭けといえるでしょう。
育成に関しては申し訳ございませんがカープの指名した3選手について私はあまり知らないためコメントを差し控えます。
総評
しっかりとくじを当て、その後も投手整備にリソースを割く意図が見えたドラフトでした。
打線の長打力不足は気になりますが。そこを新人に託すのも難しい話ですし、将来を見据えてという意味なら仲田選手を確保できています。
喫緊では外国人を探しつつ二軍で育てるというプランが明確に見えてよかったと思います。
横浜DeNAベイスターズ
本指名
1位 度会 隆輝 外野手 ENEOS
2位 松本 凌人 投手 名城大学
3位 武田 陸玖 投手 山形中央高
4位 石上 泰輝 内野手 東洋大学
5位 石田 裕太郎 投手 中央大学
6位 井上 絢登 外野手 徳島インディゴソックス
育成指名
1位 高見澤 郁魅 内野手 敦賀気比高
2位 清水 麻成 投手 樹徳高
3位 小笠原 蒼 内野手 京都翔英高
4位 庄司 陽斗 投手 青森大学
5位 近藤 大雅 捕手 専修大学北上高
1位の度会選手、かなり意外でした。
複数人の先発投手の去就が不透明であることから、大学生投手に行くのかと思っていましたが、慢性的に抱える打力不足、野手の質不足を課題に思っていたということでしょう。
そんな中でナンバーワン外野手の度会選手に入札。見事くじを引き当てることとなりました。
大きいのを打てるアーチストというよりはミートに長けた中距離打者といった感じで、感覚的には広島西川龍馬選手ないしはオリックス中川圭太選手が近いのかな?なんて思っています。
一部では守備が悪くなくて足が速い佐野選手ともいわれていますが、もしそうなら1位の枠を使う価値は十二分にありますしそうであってほしいと切に願います。
2位の松本投手は剛腕サイドということですが、DeNAは平良投手、深沢投手とサイドハンドの先発ローテ候補がいるため、リリーフではなく案外先発で期待されているかもしれません。
ただ、上記2人のように精密な制球はなくパワーピッチ気味のため、どう育てていくのかしっかり見ていこうと思います。
3位の武田選手、こちらは私の一押しです。二刀流ということですが実際どっちを本格的にやるのでしょう。どっちでも一級品の素材だと思います。
一流のセンターにも一流の左投手にもなりえる素材でかなり面白いと思います。
センターとしてなら塩見選手や長打のある岡林選手になりえると思っているのでセンターで見たいですが、まずは二刀流でやっていくのを楽しみに見ます。
4位の石上選手は東都の内野手ですが、数は揃いつつあれど決め手に欠ける遊撃争い、また三塁の守備固めなども候補がいるようであまりいないため案外早くから一軍で使われても不思議はないと思います。
5位石田投手は2年前に素晴らしい成績を残したものの今はやや不調気味というところで、よかったころを評価しての指名になると思います。これが当たれば大きな戦力になるでしょう。
6位井上選手も良い指名だと思います。長打とスピードを兼ね備えた外野手ということですが、チームの弱点をしっかり把握しているからこそ成せる指名だと思います。
育成3位の小笠原選手は高校生大砲として注目を集めていましたがこんな順位で取れるのは正直予想外でした。近年のアスリート型選手の人気を感じましたが、大きく育てば打線の核を担えると期待しています。
総評
予想外の指名でしたがくじを当て、2巡目以降も大きくぶれることなく指名してきたと思います。
チームの弱点が野手にあること、走攻守トータルでの貢献度が高い野手が極めて少ないこと、特に外野の質、量ともに穴だらけなことを見切ったような指名でチームとして弱点を分かっていてそれに対して手を打ちに来たことはいいことだと感じました。
狙い、覚悟の見えるドラフトだったと思います。
本指名
1位 西舘 勇陽 投手 中央大学
2位 森田 駿哉 投手 Honda鈴鹿
3位 佐々木 俊輔 外野手 日立製作所
4位 泉口 友汰 内野手 NTT西日本
5位 又木 鉄平 投手 日本生命
育成指名
1位 三浦 克也 投手 東京国際大学
2位 村山 源 内野手 鹿屋中央高
3位 宇都宮 葵星 内野手 愛媛マンダリンパイレーツ
4位 田上 優弥 内野手 日本大学藤沢高
5位 園田 純規 投手 福岡工業大学附属城東高
6位 千葉 隆広 投手 旭川明成高
7位 平山 功太 外野手 千葉スカイセイラーズ
1位の西舘投手も目玉の一人でしたが、見事くじを引き当てることとなりました。
今の巨人の投手事情を考慮すれば先発、リリーフどちらにおいても間違いはないのかなと思います。
ただ、菅野選手の衰えを考慮するなら先発候補と考え。育てていくのがいいのではないかとは感じます。
2位の森田投手は来年28歳になるオールドルーキーですが、この順位での指名は意外でした。
ですが、遅咲きながら素晴らしい活躍を見せており、1年目からの飛躍に期待したいです。
故障歴を考慮すれば先発で使っていくことになるのかな、と思いますが1年目から勝負をかけていってほしいと思います。
3位の佐々木選手は1年目から活躍を期待できる1番センター候補です。
巨人としては浅野選手にかけている期待は大きいと思いますが、とはいえ来年浅野選手が大活躍すると見込むのはあまりに甘いですし、丸選手の衰えで中々センターを無難に守れる選手がいなかったため、いい判断だと思います。
4位の泉口選手は少し意外でした。今年門脇選手がブレイクして、ポスト坂本問題がひとまず落ち着いたという認識ですし、そうなると巨人に必要なのは二遊間タイプならむしろ高校生かな?と思っていたので門脇選手より1つ年上の泉口選手のチョイスは驚きました。
とはいえ門脇選手をそのままレギュラーとしてアテにするにはまだ早く、増田陸選手や中山選手などなかなか目が出切らない選手たちのことを考えるとここで泉口選手を獲得することでリスクヘッジも兼ねているのでしょう。
5位の又木投手もこれまた1年目からの活躍が期待される左腕投手です。
不安定なリリーフ陣強化という明確な意図がこもっているように見えます。
育成に関しては申し訳ございませんが指名した各選手について私はあまり知らないためコメントを差し控えます。
総評
人によって好き嫌い分かれそうですが、私は大好きな指名です。
夢、ロマンではなく地に足をつけて着実に足りないところ薄いところをカバーしていった印象で、阿部新監督を1年目からバックアップするという明確な意図が見えました。
今の、特に主力以外の一軍メンバーたちを煽るという意味でもとても分かりやすくていいなと感じました。
本指名
1位 西舘 昂汰 投手 専修大学
2位 松本 健吾 投手 トヨタ自動車
3位 石原 勇輝 投手 明治大学
4位 鈴木 叶 捕手 常葉大学附属菊川高
5位 伊藤 琉偉 内野手 新潟アルビレックスBC
育成指名
1位 髙橋 翔聖 投手 鶯歌工商高
2位 髙野 颯太 内野手 三刀屋高
1位の武内投手をくじで外したものの、次の指名で西舘昂投手を単独で指名。
他の外れ1位が前田投手、草加投手で競合していることを考えればうまくやったと言えます。
明確なことは言えませんが。主戦投手が長持ちしない傾向にあるヤクルトだからこそ、「大きな故障歴がない」西舘昂投手が優先されたのかもしれません。
また、マウンドの関係でフォークPが苦しみがちな神宮ですが。西舘投手の主な持ち球はスライダー・カット・カーブ・チェンジであるため問題なさそうです。
2位の松本投手は大卒社会人で1年目からの稼働が期待される投手の一人です。
近年のヤクルトは吉村投手が苦しんだり、山下投手が投げられなかったりと上位指名組が苦戦中のため西舘昂投手と二人でその風穴を開けていくくらいの活躍を期待したいです。
3位には石原投手。あまりバリバリ投げてきた投手というわけではありませんが、その分肩肘の使い減りは少ないと思います。
今秋は制球面で大幅な進歩を見せ、与四球率で大幅な改善を見せているので早く活躍しそうにも見えます。
4位の鈴木選手は強肩が魅力の高校生捕手となります。
内山選手が望外に早く台頭して一軍戦力になっていることやチームの年代、内山選手のポジション(外野をやる可能性も)を考慮すると、確かに高卒捕手は必要だったと思いますが、ここで堀選手じゃなくて鈴木選手なのは面白い選択だと思います。
野手として魅力的な堀選手ではなく、捕手としての将来像が見えやすい鈴木選手ということなのでしょう。
5位の伊藤選手は守備が魅力の遊撃手ですが、ヤクルトは今長岡選手がレギュラーとして活躍していますが打撃でかなり苦しんでおり、ほかの候補選手も決め手に欠く状態のため、ライバルとして獲得したと考えられます。
二塁や外野も守れるというところで色々な将来像が考えられる楽しみな素材です。
育成2位の 髙野選手はスイングスピードの速い右打者ということで、ヤクルトでスイングスピードの速い右打者というとどうしても山田哲人選手が思い浮かぶわけですが、球場バフも込みで優秀な選手に仕上げてきそうだなと感じます。
総評
弱点の投手を補強しつつ、野手は素材型を当て込んであとは自前の育成力で仕上げるというスタンスが伝わるドラフトでした。
とにかく投げられる投手をちゃんと揃えたい、揃えないと厳しい、そういった現場の声がきこえてくるようなドラフトでした。
巨人ほど現実に振り切ってはいませんが、ヤクルトも中々現実的なドラフトで個人的には好きです。
本指名
1位 草加 勝 投手 亜細亜大学
2位 津田 啓史 内野手 三菱重工East
3位 辻本 倫太郎 内野手 仙台大学
4位 福田 幸之介 投手 履正社高
5位 土生 翔太 投手 茨城アストロプラネッツ
6位 加藤 竜馬 投手 東邦ガス
育成指名
1位 日渡 騰輝 捕手 茨城アストロプラネッツ
2位 菊田 翔友 投手 愛媛マンダリンパイレーツ
3位 尾田 剛樹 外野手 栃木ゴールデンブレーブス
4位 川上 理偉 外野手 大分B‐リングス
1位入札は度会選手でしたが、3球団競合の末獲得ならず。
そこで外れ1位として草加投手に入札。ロッテとの競合を制して獲得となりました。
制球が良く、安定した投球が持ち味の草加投手は広いバンテリンドームとの相性は抜群でしょう。
勝敗は置いといて、柳投手のようになっていけるだけの素材だと思います。
2位では津田選手、3位で辻本選手と続けて二遊間の選手を指名して、ファンをざわつかせました。
確かに前年のドラフトで2位村松選手、5位濱選手*2、6位田中選手、7位福永選手と4人獲得したうえで、他にもカリステ選手、龍空選手がいる中でまた2人取るのかと思う人がいるのはわかります。
私も驚きはしました。
ですが津田選手は体格も良くコーナーや外野を守りつつ打撃でアピールするような将来像もあるタイプの選手ですし、辻本選手は世代最高峰の守備力を誇っており、レギュラーになれずとも守備固めやUTとしての機能もあり得そうな人材だけに、考えれば考えるほどそこまで悪くない指名に思えます。*3
4位には履正社のエース福田投手を指名。まだまだ身体が出来上がっているわけではありませんが、素晴らしい素材です。
願わくば二軍でじっくり育ってエース候補になっていってほしいですし、そうなれるだけのものは持っていると思います。
5位の土生投手、6位の加藤投手ともに荒削りでまだまだこれからながら伸びしろの大きなタイプを連続で指名。
今年かなり苦しく火の車状態だった二軍においてしっかり投げさせて経験を積ませたいという球団の意欲を感じました。
育成に関しては申し訳ございませんが指名した各選手について私はあまり知らないためコメントを差し控えます。
総評
巷で言われているような酷いドラフトかといわれるとそうは思いませんでした。
1年目から稼働できそうな即戦力投手、高卒の期待株投手、荒削りながら二軍でしっかり投げて鍛えられそうな投手×2とバランスのいい指名だったと思います。
願わくばもう1人くらい投手を確保しても良かったとは思いますが戦力増強手段はドラフトだけじゃないということで何かしら動くつもりではないかと考えました。
野手は野手でプロスペクトもいるため、変に数を集めるよりまずは今いる選手たちと向き合っていこうということでしょう。
パ編へ続く…