欧州列強2連戦を見て感じたこと

こんにちは

マリノスの馬鹿試合を2試合とも現地観戦した者です。

改めて変なタイミングでの休暇を認めてくださった会社に感謝しつつ、この2連戦で感じたことを書いていきたいと思います。

 

セルティック

まず最初に、選手はだれがだれなのか細かく見ることはできなかったので、ちょっとそこは残念ではあります。*1

まず感じたのは、「選択肢を複数持つ、持てる体制を作る」ことのうまさです。

たまに見る試合は相手とレベル差がありすぎてわかりにくかった部分はありますが、セルティックの多くの選手はボールを持った時に次なにをするか、を簡単に悟らせない技術があるように見えました。

相手を躱すプレーに関しても、マリノスの選手は身体の使い方のうまさで躱しがちですが、セルティックの選手は一瞬の駆け引きや選択肢の見せ方で躱していました。*2

守り方も、日本だと困ったら引いてスペースを消す守り方をしていましたが、セルティックは国内で圧倒的強者なこともあり、また親善試合ということもありガンガン飛び込んできました。

そのため後半から入ってきたスピード自慢、他は研修中の井上健太選手がイキイキと走り回っていました。

彼自身まだJ1でできることは少なく、様々なことを学んでいく段階ではあるのですが、良さを発揮しやすい環境であればスコットランド絶対王者のサブメンくらいは余裕で千切れるんだなと感心しました。

逆にセルティックはどうしても普段圧倒的強者としてふるまい続けているがゆえに、それ以外のサッカーをするのは難しいのではないかと思いました。

そこはCLやELといった欧州の舞台で結果を残せないことにもつながるでしょうし、圧倒的強者のサッカーに身体が慣れてかつ好待遇のため違約金が跳ね上がっているなか、5大リーグの中堅~下位チームがセルティックの選手に手を出すのも簡単じゃないため、リーグのステップアップが難しい原因にもなっているのではないかと感じました。

 

おそらくですがお互いフルコンディション、フルメンバーで対戦すればセルティックに分があると思います。

圧倒的な質の差があるわけではありませんが、少しずつ上回られていることは感じましたし、彼らの持つスキルは持ち帰ってほしいと思います。

 

マンチェスター・シティ

現欧州王者との一戦は非常に楽しく、スリリングなものとなりました。

前半はシティのアカンジ選手やフィリップス選手がとりわけ身体が重そうだったこともあり、マリノス側もしっかり攻めることができていました。

ただ、後半に千両役者のハーランド選手、ディフェンスリーダーのディアス選手、チームの心臓ロドリ選手の3人が入ってきてから一気にシティは変わりました。

フルパワーの本気じゃなかったにせよ、彼らの実力を見せつけてくれたことはとてもありがたいことでした。

シティはまず大前提としてセルティックの面々のまた2段階くらい上のうまさがありました。

それは駆け引きであったり、持ち方、ボールのないところでの動きのうまさであったり、あとはボールのキック力です。

当たり前ですがキック力なんてあればあるほどいいわけで、とはいえ日本の選手はなかなか強く長いボールを短い準備動作からガツンと蹴ることができていませんが、シティは当たり前のように蹴ることができていました。

それの何が重要かといいますと、その長いボール一撃で得点につながる可能性を常に相手にちらつかせることができれば迷いを生じさせることができます。

サッカーはどこまで行っても陣取りゲーム要素は排除できないため、最小の労力で陣取りできることを相手に認知させることも一つの戦略になります。

そして後半の数十分間はほぼまともにボールも触らせてもらえず、じわじわと追い詰められ、消耗していきましたがそこにあるのはただの技術*3ではなく、彼らはサッカーを熟知しており、どこに動けばいいのか、どこでパスを出すべきか、出さないべきかという一つ一つの判断が極めて精緻だったと思います。

マリノスでよくあるのが、判断に困って「なんとかなれ」と言わんばかりのギャンブルパスを味方に押し付けてそれがロスト、失点につながるシーンです。

ただ、シティではそういうシーンが少ないのもうなずけました。

 

この2試合を生で見れたことは自分にとって思ったより発見がありましたし、エンタメとしても満点でした。

 

*1:1階席の最前列だったのでやむなし…

*2:もちろんセルティックの選手全員ができていたわけではありませんし、特に後半はグッダグダでした

*3:止める蹴るなどとは違う