こんにちは
年明け早々にまたJリーグ関連で新しいニュースが出てきました。
最初見た時は何てこと言うんだと目玉が飛び出ましたが、とはいえこういったものはえてして扇動的な内容で切り抜きがちなので、改めて調べてみました。
今回はこの秋田のスタジアムやそれに付随するJリーグのスタジアム建設について思う所を書いていきます。
■Jリーグを取り巻くスタジアム環境
まず端的に今のJリーグを取り巻くスタジアム環境、もっと言うと各クラブのホームスタジアムは施設の老朽化であったり、交通インフラに問題があったり、そもそも陸上トラック付きの陸上競技場だったりするパターンが非常に多く、これらの条件をある程度満たしているのはJ1の半数ほどのクラブ、J2、J3のごく一部のクラブくらいになります。
多くのクラブにとっては環境が良いとは言い難いですが、かといって他国のスタジアム環境を見ていてもトップリーグであっても下位チームはキャパシティが1万人前後であることはそう珍しいことではありません。
多少の設備の改修は必要と言えなくもないですが、他国と比べて圧倒的にJリーグのスタジアム環境が悪い!と言われると本当にそうか?とは思います。
交通の便に関してはスタジアムの問題というよりは地域性の問題だったりしますし、そもそも日本以上に鉄道網が発達した国もありませんからね。
■スタジアムのリスク
とはいえ、いい箱ものを建てること自体が悪いとは思いません。
大は小を兼ねる、というのも事実ですし、極端な話1万人規模のスタジアムを建てて後々客を入れられなくて困るくらいなら、3万人規模のスタジアムを建ててしまえば客を入れきることは出来るし、空席で何か大きな損失があるわけではありません。
ただ、そうはいってもキャパシティの大きなスタジアムのほうが建設費はかかるわけで、規模の大きなスタジアムを建てるためには、小さなスタジアムを建てるよりお金がかかります。
それでクラブが順調に成長していけばいいのですが、サッカー界は困ったことに昇格という夢のある事象だけでなく、降格という多大なるリスク要因とも向き合わねばならないのです。
当然ですが、降格してしまうと観客は減りますし収入も減ります。
立派なスタジアムを建てたのにカテゴリを下げてしまうリスクが常に付きまとうのが現状のサッカー界の難しさだと思います。
逆に野球界は良くも悪くも閉鎖的でクローズドゆえに、エスコンフィールドのようなスタジアムの建設が可能です。
野球界の12球団のあり方の良し悪しはまた別途議論が必要かもしれませんが、スタジアム建設において降格による観客動員の減少リスクを考えなくてよいのは強いでしょう。*1
■野球場との比較
こういったサッカースタジアム建設の話題で絶対に出てくる意見として、「日本中にある野球場はあんなに数多く建てるのに、なぜサッカースタジアムの建設はそんなに渋るのだ」というものがあります。
ただ、冷静になってみるべきなのはこれらの野球場の大半は数十年前に建てられたものです。
また、これらの野球場が立てられた頃と今とでは各自治体の財政状況も違えば建設にかかる費用も全く異なるので、単純に並列比較はできません。
秋田のスタジアムで言うなら、秋田県立野球場(こまちスタジアム)が比較対象として挙げられますが、こちらは2003年に竣工しています。
実際野球場でこの20年以内に明確に新しく建てられたのはMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島とエスコンフィールドのみで、これらは2つともNPB球団の本拠地球場として使用するため確実な観客動員が見込めます。
ただ、もし2010年以降に新しく建てられた野球場が他にあれば教えてください。もしかしたらリサーチ不足かもしれないので…
■外から見た構図
このスタジアム周りの問題についてですが、シンプルにこれ外から見た人が受ける印象ってきっと最悪なんだろうなと思います。
うだつの上がらないプロサッカーの2部や3部風情が、税金使って偉そうなことをいってスタジアムを建てさせようとしている、という見方をされています。
なんなら直近のパワハラ問題も相まって、Jリーグのガバナンス意識は最悪で、そんな信頼のおけないリーグが税金を使って必要かどうかも分からないようなスタジアムの建設を自治体に迫っている、という見方になっています。
別にこれは事実に即しているかどうかではなく、そう「見える」と言いたいだけです。
それでいて、SNS上ではサッカーファンが自治体や全く関係のない野球ファンに誹謗中傷を重ねている、というのも目に見えているわけで、どう見ても印象は最低最悪でしょう。
そもそもこういったスタジアムの建設に関しては何かを攻撃して、whataboutismに陥るのではなく、広範に仲間を増やして、「じゃあ建てたほうがいいよね」という空気感を作っていかねばなりません。
少し政治の話になって非常に申し訳ないですが、先鋭的な主張を繰り返すタイプのリベラルが支持を集めなくなっているのはまさしくこれと同じ構図です。
外からの、もっと言うと立場的に中立の人間が見て受ける印象があまりに悪すぎます。
■スタジアム問題の終着駅はどこにあるのか
スタジアムの建設に関して、全く不要だというつもりもありませんが、自治体の財政問題であったり、リーグとしての降格リスクを踏まえても、自治体が及び腰になっているとして、それを非難する気にはなれません。
言ってしまえば公務員の最大の目的は地域住民の生活を守るという所ですし、そうなった時に優先順位が下がってしまうのはやむを得ないでしょう。
確かにJクラブを全面的にサポートすることによる経済的な起爆剤になる可能性がゼロだとは言いませんが、リスクもあるというのは認識しておかねばなりませんし、公務員がリターンよりもリスク回避に重きを置くのはそれは当然の発想ではあると思います。
まずはサッカーファンとしてスタジアム建設に関して色々言われるのに憤慨する気持ちは分かりますが、関係のない野球ファンであったり自治体の人間を必要以上に誹謗中傷するのは単純に自分たちの見られ方が終わるのでやめるべきだと思います。
あとは、Jリーグという組織自体に信頼がおけないのは紛れもない事実ですし、パワハラを適当に済ませようとするどうしようもない集団なので、まずはJリーグを突き上げないといけないのではないでしょうか。
何故かは分かりませんが、Jリーグファンで特にスタジアム建設問題に一家言ある方々は自分たちが外からどう見られているのかに関して無頓着になりがちなので、気を付けたほうがいいように思います。
*1:それはそうと観客が減るのは別の要因もありますが、言ってもキリがないので割愛します。