来年の夏から秋春制を実施することがもう決まっているそうでして、個人的には賛成反対以前に「もっと先にやるべきことがあるだろう」としか思えなくてどうにも考えたくない事案だったのですが、とはいえ改めて秋春制について何がメリットになって、何がデメリットになるのかを誠に勝手ながら考えさせていただくことにしました。
別段これをJリーグに届けたいとも思っていないただの戯言なので、暇つぶし程度に読んでいただけると幸いです。
秋春制のメリット
・ACLとシーズンが合うので、ACLを戦うクラブにとってはクラブ運営をしやすくなる
早速ACL出ているクラブ側の論理で申し訳ないですが、これ結構大きいです。
ここ2年はシーズンの終了とACLがかみ合っていなかったことで、チームのサイクルを回すのに難儀していました。
「サイクルとしては終わっているので新しくチーム作りをしたい」、と思っていても新シーズンの冒頭にACLが食い込んできてしまうことで、ある程度目の前にあるACLについても重要視しながら戦わざるを得ず、新しいチーム作りを難しくしてしまいました。
本来ならもう1年2年早く刷新しなければいけなかったところを、ACLとリーグのシーズンの乖離によって延び延びになってしまい苦しいシーズンを過ごさざるを得なくなったことは横浜F・マリノスのサポーター、川崎フロンターレのサポーターならわかってくれるのではないかと思います。
とはいえ今のJリーグだとACL絡みは「明日は我が身」と感じるにはあまりに一部クラブで寡占されている感は否めないですかね…
・欧州市場とシーズンが合うので、監督の引き抜きに対して対応しやすくなる
これも正直結構なレアケースと言っていいですが、まったく可能性がないというわけではありません。
もう4年前になりますが、ポステコグルーがマリノスからセルティックに引き抜かれたときもその直後なんかはどうしてもチームが上手く機能しなかった試合もありましたが、これがシーズン真っ只中かシーズンオフかで準備が全然違います。
正直今でも「あのタイミングじゃなかったらあのシーズンどうなっていたのか、また監督は果たしてマスカットだったのか」と詮無いことを考えるときもあります。
また、マリノス以外のクラブではそのケースが全く起こりえないのか?というとそんなこともないと私は思います。
各クラブの特に外国人監督で、日本の功績が認められて海外クラブに引き抜かれるという可能性はあるでしょう。
・酷暑でこなす試合数が減ることによる負担軽減
日本の夏がとんでもなく暑いこと、外出にすら向かず夜に試合しようが暑いことには変わりないくらい厄介なことは日本に在住の方であればお分かりでしょう。
そんな酷暑での試合はクオリティも落ちますし選手にとっても良くない。
ですが、秋春制であれば8月開幕ということで、8月はたしかに暑さのピークではありますが、これまでと違って7月は試合をしないで済むだけ幾分暑さに関してはマシと言えるでしょう。
ただ、この負担に関して言うと結局後述するように過密日程で別の負担がかかってしまうのであんまり変わらないような気もしますがね。
秋春制のデメリット
・過密日程がこれまで以上に過酷になる
これはただシーズンを移行するだけでなく、現状ですとウィンターブレイクとして12月半ば〜2月初頭までリーグを中断することが決まっています。
その為、その期間の週を除いて試合をこなさねばなりません。
現状をみても、ACL不参加クラブですら試合数は少ないとは言えない状態で、ACL参加クラブに至っては大変なことになっていますが、更にウィンターブレイクが挟まるとなるとシーズン中は代表ウィーク以外ずっと連戦なんてことも可能性としては十分考えられます。
そんな日程のリーグ、見たことありますか?
過密日程の権化ことプレミアリーグですらここまでじゃないですよ。
・高校、大学はずっと春秋のため、新卒選手の加入時期がシーズン途中となる
いくらJリーグが秋春制にしたからと言って、高校や大学は春秋のままですよね。
そうなると、基本的には卒業後の加入になるので、シーズン途中の加入になってしまいます。
右も左も分からない新人が、キャンプすら経験しないままいきなりシーズン中にチームに放り込まれても戦力として機能するでしょうか。
もちろん、多くの選手はある程度事前に練習参加であったりキャンプ参加もしているでしょうけど、最初からキャンプ帯同できてるのか?というとまた別の話になってきますからね。
まあそうなると大学生は半年ないしは1年前倒しでの加入ケースも今後増えてくるのかなと思いますが、高校生だとユースからの昇格ならまだしも高体連や街クラブの選手は前倒しで加入させるのも難しいでしょうし、プロキャリアの貴重な半年をどう過ごさせるのか難しいところではあるでしょう。
・降雪地帯は冬季にホームゲームが現実的に厳しいだけでなく練習をこなすことも簡単ではない
秋春制でつきまとうのは間違いなく降雪地帯への対応でしょう。
特にアルビレックス新潟のサポーターが秋春制に不満を持っている印象ですがそりゃそうだろうと私も思います。
「ホームゲームの開催が厳しいので冬の間はアウエー連戦です。」というのも結構不公平感はありますがここまではいいとしても、その間もシーズンは続いているので練習もしないといけないわけでして、じゃあどうやって練習すんだよという話になってきます。
立派な室内練習場を保有しているとかであれば問題ないでしょうがそんなチームはあるはずもなく、練習一つとっても雪に邪魔されてしまいます。
クラブごとに資金力や環境で差異があるのは致し方ないこととしても、果たして地域によって露骨に有利不利が分かれてしまうのは健全なコンペティションなのだろうか、とはどうしても思ってしまいます。
正直なところ、未来を見通せる能力を持っているわけじゃないので実際どうなっていくかは分かりません。
存外に上手くいくかもしれませんし、やっぱり駄目でした、となるかもしれません。
ただ、個人的には春秋か秋春かよりも先に、本当にJ1~J3まで20クラブずつで問題ないのかという議論や、今時イングランドとスコットランドくらいしか実施していないリーグカップをまだ続けるのか、といった議論のほうが先じゃないかなとは思っています。
リーグ戦が38試合
天皇杯が1~6試合
ルヴァンカップが2~5試
ACLEは8~13試合/ACL2は6~13試合
よって
ACLE参加の場合で49~62試合
ACL2参加の場合で47~62試合
ACLに不参加クラブは
リーグ戦が38試合
天皇杯が1~6試合
ルヴァンカップが1~10試合
よって
40~54試合
となります。
これを、8月1週目開幕で翌年5月の最終週までのざっくり300日(約43週)でこなせということになります。
しかも約2か月のウィンターブレイクを挟んでのこれなので、実質的には250日(約36週)で上記の試合数をこなさないといけません。
恐ろしいですね。
過密日程自体は秋春制と直接関係ないじゃないか、という反論もあるかもしれませんが、そもそも秋春制にしなければウィンターブレイクなど必要なかったわけですし、過密日程が更に過酷になる一因と言わざるを得ません。
あくまで秋春制反対と言いたいのではなく、現行のまま秋春制に移行すると大変なことになるんじゃないか?と言いたいだけです。
正直やる前からある程度見えてることではあるのですが、実際やってみないと分からないんでしょうかね。
そうなった時に最初の1,2シーズンで過密日程の人柱になるクラブが気の毒でなりませんし、それが自分の応援しているクラブである可能性は全く否定できません。
難儀なことです。
せめて人柱にならないことを願いつつ、数年かけてでもリーグが軌道修正することを願うばかりです。
*1:CWCはイレギュラーなので一旦外してます。