森保監督の日本代表選考について ~なぜ日本人No.1の点取り屋が選ばれないのか~

こんにちは

3/15に新生日本代表のメンバーが発表されましたね。

 

一部波紋を呼ぶような選考もあったり、一部嬉しい選考もありましたが、今回はあえて1点に絞って考察していきたいと思います。

それは

なぜ日本人屈指の点取り屋である古橋選手が代表に招集されないのか。

です。

 

勿論言い出したらキリがないくらい選考に関して意見が出ることもあるかと思いますが、まずは多くの人が話題にしていたところに私も首を突っ込んでみようと思います。

この古橋選手が呼ばれない問題ですが、まず明確にしておかないといけないのは古橋選手のライバルとなる選手は誰なのか?についてです。

ここを明確にしなければまず議論は進みません。

なぜライバルを明確にしないといけないかといいますと、古橋選手のライバルになりえない選手と比較して、「○○選手は代表に招集されているのになぜ古橋選手は呼ばれていないのだ」などといっても何の意味ももたらさないからです。

例えば今回初招集となった角田選手(横浜FM)、バングーナガンデ選手(FC東京)、半田選手(G大阪)と古橋選手を比較して「なぜ彼らは呼ばれたのに古橋選手は呼ばれないのだ?」

などと言いますでしょうか?

「ポジションが違うから仕方ないし比較すべきところではない。」で終わる話ですよね。

なのでまず手始めに古橋選手のライバルとなる選手を定義しないといけません。

しかし、そこでも厄介な問題があります。

古橋選手はCFとして得点を取る役目を期待されているのか、WGとしてチャンスを作る役目を期待されているのか」です。

そのため、本記事では両方の可能性について言及していきます。

 

①古橋選手がWGとして計算されていた場合

ライバル

伊東純也選手(ランス)

三笘薫選手(ブライトン)

堂安律選手(フライブルク

中村敬斗選手(LASK)※初招集

久保建英選手(レアル・ソシエダ

 

上記選手たちと比較して古橋選手はWGとして優位性を出せるのか、という所が焦点になってくるかと思います。

古橋選手はWGとしてもそつなくこなせる選手であることはヴィッセル神戸でプレーしていた頃に証明済みではありますが、果たして上記に挙げたライバルたちと比べてWGとして見たときに秀でているといえるでしょうか。*1

セルティック入団以降はほぼずっとCFでプレーし、ストライカーとしての武器を磨き続けた古橋選手が急に代表でWGとしてのプレーを求められてチャンスメイクを期待されたとしても、現状のライバルたちを上回るのは難しいでしょう。

私個人としては古橋選手をWGとしては考えにくいですし、CFとしてのほうがイメージはしやすいです。

ですがもし森保監督が古橋選手をWGとして考えているのであれば現段階での落選は妥当だと考えます。

 

②古橋選手がCFとして計算されていた場合のライバル

前田大然選手(セルティック

上田綺世選手(セルクル・ブルージュ

町野修斗選手(湘南)

 

セルティックでの仕事ぶりを考えたときに古橋選手は今の日本代表チームでエースストライカーになってしかるべき。

そのくらいの評価があっても不思議ではありません。

ではなぜ古橋選手が呼ばれないのか、ここで私は森保監督就任以降に招集された全CFタイプの選手を調査しました。

その結果、一つの仮説にたどり着くことができました。

ではまずは森保監督就任以降に招集されたCFのリストを以下に共有します。

 

どうでしょうか。

この表からなんとなく森保監督がCFに求めている要素について見えてきませんか?

明確に最前線で起点となってくれる可能性のある身長の高い選手、身体の強い選手を好んでチョイスしているように私には見えます。*2

そして前田大然選手はその森保監督の好みとは外れますが彼には並外れたスピードとスタミナと無駄走りを厭わないメンタルがあります。

手詰まりになったときに「とりあえずどこまでも走ってこい」で何かを起こせる可能性のある前田選手は決して手札の多くない森保監督にとっては必要不可欠な存在なのだと思います。

そして古橋選手はというと、他のCF候補たちのように身長が高いわけでもなく屈強なフィジカルで起点を作るわけでもなく前田選手のようにどこまでも走り続けるわけでもないため、森保監督からすると「優先順位が下がってしまう」というわけです。

あくまで私の仮説ですが、それこそが古橋選手が代表に呼ばれない理由なのではないかと思います。

 

あとがき

 

1つ目の記事の内容と少し重なるのですが、日本代表が「後ろから前線に時間を届ける」という意識をチーム内で統一していたのであれば、古橋選手がエースになるでしょう。

古橋選手に時間と空間の貯金を与えてやることができれば躍動するでしょう。

ですが現状の日本代表チームではそのようなことはないため、どうしても前線の選手にある程度無理を強いる必要があります。*3

そうなった時に、古橋選手ほど卓越したオフザボールの動き、シュートセンスがなくても、身体を張ってチームが前進するに伴う時間と空間の負債を解消してくれる可能性のある選手、走りで事故を起こせる選手を優先するのは仕方ないことなのかもしれません。

小学生の旅パに輝石ラッキーは不必要な代物なのです。

 

あとがき2

見返して気づいたのですが、浅野選手のことすっかり抜けていましたね…

浅野選手を呼ぶ理由は前田選手とほぼ同様の理由だと考えています。

あと、浅野選手はアジア予選のオーストラリア戦でゴールを呼び込んだり、ワールドカップドイツ戦でスーパーゴールを決めるなど何かと「持っている」選手なので序列から外したくないのかもしれません。

 

*1:中村敬斗選手と比べる声もありますが、中村選手は森保監督が「試してみたい」と考えて初招集した選手なので、すでに実績を積んできている古橋選手と単純比較は難しいでしょう。

*2:北川選手のように本来セカンドトップの選手なのにも関わらずCFとして起点になる役目をさせようとして大失敗したという事例はありますが…

*3:その点では非常にマリノスとも似ていると思います。