一森オビ論争とマリノスの抱える本当の問題点について

こんにちは

初めまして。

私はマリノスを応援し始めてざっくり7年目くらいのしがない1マリサポですが、ここ最近マリノス界隈を賑わず「一森オビ論争」についての私見、および今マリノスが抱える最大の問題点について語っていきます。

 

・一森オビ論争について
まずは「一森オビ論争」とは何ぞやというところからお話していきます。
2023年2月初頭に当時正GKであった高丘陽平選手がMLSへの移籍を決断し、チームを離れることになってしまいました。
その時チームに在籍していた他のGKが、

昨年2番手GKだった大卒4年目のオビ・パウエル・オビンナ選手

鹿児島ユナイテッドFCで経験を積みレンタルバックした白坂楓馬選手

高卒3年目の田川知樹選手(のちにカターレ富山期限付き移籍

ヴィッセル神戸から復帰したベテラン飯倉大樹選手

の4名であり、高丘選手の穴を埋めるのは極めて厳しいものになり、2023シーズンは苦戦を強いられると誰もが予想した開幕前でした。
そんな中迎えた2023シーズンですが、富士フイルムスーパーカップ、開幕戦、2節浦和戦と公式戦3試合を3連勝で迎え、その3試合スタメンとして抜擢されたオビ選手はいずれの試合でも活躍が光りました。そんなオビ選手の姿を見て「足りないところはあれど高丘選手にないものも持っているオビ選手がこのまま成長していけば…」と多くのマリサポが感じたことでしょう。


しかしそんな最中、ガンバ大阪で第3GKとして出場機会に飢えていた一森純選手がマリノス期限付き移籍で加入しました。
期限付き移籍当初の反応は様々でしたが概ね好意的であり、「オビ選手の2番手」としての補強として心強いものになると見ていた方が多かったように感じました。
しかしそんなサポーターの予想を覆したのが第3節サンフレッチェ広島で一森選手がスタメンで起用されたことです。

様々な意見や憶測が飛び交うなか、一森選手のパフォーマンスはフラットにみて「ほぼぶっつけ本番でデビューさせられたことを差し引いてもやや不安定であった。ただ落第点では決してない。」というのがフェアな評価かなと私は思います。

その次のルヴァン磐田戦、またその次のそして議論が沸き起こる最大の要因ともなった札幌戦でも一森選手がスタメン起用されました。
札幌戦の2失点ははっきり言って自滅でした。

その失点の責をすべて一森選手に帰している方もちらほら見られましたが私の意見とは異なりました。

1失点目は小池裕太選手が本職SBとしては考えられない競り負け方をしてしまったことがほぼすべてであり、あんな競り負け方をされてはどうしようもないだろうというのが本音です。

そのうえで一森選手の飛び出しが中途半端というのならそうかもしれませんが、失点の主要因にはなりえないのではないでしょうか。

また、2失点目はマルコス選手が一森選手へリターンしたバックパスがあまりにあり得ない緩さだったことが原因ではないでしょうか。

彼クラスの選手があんな迂闊なパスをGKに出すことのほうがよほど責められて然るべきなのに、一森選手にばかり責任を押し付けるのはいかがなものでしょうか。

そもそもあの場面で何も考えずにGKに下げるという選択そのものがあり得ないと私は思います。

確かに一森選手もあの場面でプレスしてきた選手を躱すことができればなおよかったですが、そんな芸当ができるような選手は開幕後にレンタルで連れてくることなどできません。

つまるところ私には今の一森選手はあまりに不当に非難を浴びているように見えてしまいます。

 

ただし、オビ選手を起用して3連勝という"流れ"があった中で唐突に一森選手を起用してやや停滞してしまったことは事実です。

ここで重要なのは「一森選手のパフォーマンスそのもの」と「3連勝していた流れを断ち切ってまで加入したばかりのGKを突然起用すること」の評価は全く別軸にあるということです。

ここをごちゃ混ぜにしている方が一森選手批判派、賛成派問わずいるなというのが個人的な意見です。

論争をするのは自由です、誹謗中傷にならない程度に論争をすればよいのです。

ただ、ちゃんと論点を整理しないと不毛で無意味な言葉のぶつけ合いにしかなりません。

そして筆者である私は一森オビ論争についてどのように感じているかですが、

どっちでもいい

が答えです。

それはマスカット監督やコーチ陣を無条件に信じるということではなく、どちらを使うかでチームの勝敗が大きく変わるとは思っていないからです。
もっと言うと私が感じる「マリノスの問題点」はGKに帰するものではないからです。


マリノスの問題点
お待たせしました本題です。
マリノスの問題点とは何かを明示していきます。
あくまで私見です。

単刀直入に聞きます
Q1:「マリノスはビルドアップが上手なチームだと思いますか?」
Q2:「そもそもビルドアップとは何ですか?」


私の答えは
Q1:いいえ。マリノスはビルドアップが下手です。
Q2:ビルドアップとは後方の選手たちが時間の貯金を作り、その貯金を前線の選手たちに届けること
です。

では一つずつ語っていきましょう。
マリノスはビルドアップが下手です。間違いなく下手です。
もっというとJ1でちゃんとビルドアップできるチームなんてほぼありません

ではマリノスが前進できるパターンについて解説します
前進パターンとして大きく2つに分けられます。
①相手がかけてきたプレスを空転させるパスをDFから放つことによる疑似カウンター気味の前進
②ロペス選手、エウベル選手、西村選手といった比較的キープできる個人能力を持った選手に預けて、彼らの能力で何とかキープしてもらってからの前進

①は2019年の大分トリニータなんかもよく使っていた相手のプレスを逆手に取る疑似カウンターで、特に畠中選手は相手が向かってきたときに方向を読ませないパスを多用している印象があります。
②は言うまでもなくDFや中盤から困ったときに預けて何度か打開してもらう、タメてもらうもので、数年前までの日本代表でよく大迫勇也選手が割と無茶めなボールを納めていたことは記憶に新しいはずです。

この2点が今のマリノスの前進手段ですがそうなると大きな欠陥があります。
ミドルブロック崩せない」問題です。
ミドルブロックを組まれると中途半端なプレスをかけてこないため、①の前進は封じられます。
また、人をかけて対処できるため②の前進に関しても封じられます。
そこで必要なのは①でも②でもない新たな前進手段③です。

その新たな前進手段③とは
後ろの選手がボールを持った時に前にスペースがあればドリブルで持ち運び、相手のプレスに迷いを生じさせる。プレスを迷わせたら後出しじゃんけんのようにフリーの味方にパスを出す。その繰り返し。
です。


これ見たことありますよね?角田選手がやっている持ち上がりです。
大事なのは角田選手だけじゃなくて、チーム内でこの意識を統一させないといけないことです。


当然ですがこのようなプレーをするためには個人としてもスキルアップが不可欠です。
相手選手にパスコースを読まれるようなパスの出し方をしては意味がありませんし、ボールを持っていても多少のプレスで失ってしまうようでは意味がありません。
そしてそのようなスキルの向上と「味方に時間を届ける」意識を持った鍛錬こそがビルドアップの向上には不可欠ですが、マリノスは試合を見る限りそのような意識をチームで統一して持っているようには見えません。

その「ビルドアップ」に対する意識、認識がチームとして統一されておらず、選手個々でバラついていること今のマリノスの最大の問題点だと私は思います。

なので私はオビ選手か一森選手かなんてどうでもいい問題だと思っています。

マリノスの中盤から後ろの選手たちの大多数の意識改革、もしくは物理的な選手の入れ替え、もしくは首脳陣の交代といったドラスティックな変革がないとずっとこのままビルドアップができないチームのままでしょう。

また、現状前進するためにCFやWGの選手を利用していますが、そんな彼らの負荷を軽減し、最初から前を向いた状態で気持ちよくプレーできる機会を増やせば、必然的にもっと得点は伸びるのではないかと考えます。
今シーズンは特にロペス選手の負荷があまりに高すぎるように感じます。
植中選手もCFとしては素晴らしい素材ですし、日本代表も目指せる選手だと考えています。
ですが現状植中選手はロペス選手と同じ役割ができないため、リーグ戦ではベンチに入ることができていません。
しかし、本来前線の選手の仕事はゴールに直結することで、時間を作り出せない後ろの選手たちから生み出された時間と空間の負債を清算するのは本来CFに求められる仕事ではないのです。
勿論得点を第一として仕事をすることができるようになったら、ロペス選手の破壊力も今よりもっともっと凄まじいものになるでしょうし、現状まだまだかみ合っていない水沼選手や井上選手に関してもより動きがやりやすくなるのではないでしょうか。

現状Jリーグにおいて時間の貯金を意識したビルドアップができるチームは殆どありませんし、意識しているチームも同様です。
アルビレックス新潟は色々話を聞きますがちゃんと見たことがないです。ごめんなさい。


だからこそマリノスは今からそこに手を付けないといけないものではないかと私は考えます。

乱文でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。